2021年12月8日水曜日

緑内障のレーザー治療「選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)

 ゲスト/月寒すがわら眼科 菅原 敦史 院長


緑内障とはどのような病気ですか。

 緑内障は日本人の失明原因として最も多い進行性の病気です。主に眼圧が上がることで視神経に損傷が起きて発症します。最近は眼圧が正常範囲にもかかわらず視神経が障害される「正常眼圧緑内障」も増えています。40歳以上の20人に1人が発症するとされ、長い時間をかけて視野が狭くなります。やっかいなのは、重症化するまで自覚症状がないこと。気付いた時には治療が難しくなっているケースも少なくありません。

 進行してしまうと日常生活に不便を感じるようになりますが、早期に発見し、治療を継続することで進行を食い止められれば、不自由なく視力・視野を維持できます。自覚症状のない段階で病気を見つけるためには、目の定期検診が何よりも重要です。


緑内障の治療について教えてください。

 緑内障の治療は、症状が進行しないよう「眼圧を下げる」ことが目的です。方法としては、点眼薬による治療、レーザー治療、外科手術の3つがあります。

 一般的には点眼薬の投与から治療を開始します。複数の点眼薬を使うこともあります。すべての人に起きるわけではありませんが、「充血」「まつげが伸びる」「目の周りが黒ずむ」などの副作用が出ることもあり、継続的な使用が困難な患者さんもいます。また、毎日忘れずに点眼することは難しく、患者さんの4分の1以上が点眼開始から約3カ月で治療を離脱してしまうという報告もあります。

 点眼薬が使えない、継続できない場合など、点眼薬による治療の代わりになりうるのがレーザー治療「選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)」です。点眼薬との併用で治療効果を高める例も多いです。日帰りでの外来治療が基本となるSLTは、短時間で終わり痛みや合併症リスクの少ない低侵襲な治療法で、繰り返し治療を受けられることもメリットです。ただし、実施する医療機関が限られていること、SLTの適用となる患者さんでも約2〜3割の方には治療効果が十分に出ないケースがあることなど欠点もあります。点眼薬、レーザー治療で十分に眼圧が下がらない場合は外科手術が検討されます。

 大切なのは、信頼のできる眼科医とよく相談した上で、自分の病状やライフスタイルに最も合った治療法を選び、継続していくことです。