関節リウマチとはどのような病気ですか。
関節リウマチは、関節に起きた炎症によって腫れや痛みが出る病気です。炎症が続くと骨や軟骨が破壊されて関節の機能低下や変形が進行し、身支度や家事に時間がかかるなど日常生活に支障を来します。
特徴的な初期症状として、朝起きてしばらくは関節が思うように動かない「朝のこわばり」がみられたり、手や足の関節、特に手の指の第2関節や付け根の関節、足の指の付け根の関節が腫れたり痛んだりします。
詳しい原因が分かっておらず、完全に治す治療法は確立されていません。現在、日本には70万人から100万人もの患者さんがいるといわれており、決してまれな病気ではありません。男性よりも女性の方が約4倍も多く、発症年齢のピークは30〜50代ですが、60歳以降に発症する方も決して少なくありません。
診断と治療について教えてください。
かつては「不治の病」とされ、いずれ日常生活が制限されてしまう病気と思われていましたが、この20年間ほどで関節リウマチの診断・治療は格段の進歩をとげ、現在では多くの患者さんが病気の進行を抑え、発症前とほとんど変わらない生活を送ることのできる「寛解(病状がコントロールされている状態)」を目指せるようになっています。
診断は診療、血液検査、レントゲンやMRI、関節エコーなどの画像検査などによって行います。治療の基本は「抗リウマチ薬(メトトレキサート)」の服用で、それだけでは症状が治まらない場合、関節破壊を防ぐ効果がより強い「生物学的製剤」や「JAK阻害薬」を使ったり、抗リウマチ薬と組み合わせたりします。発症後、早期に治療を始めた患者さんほど、薬がよく効いて寛解となる可能性が高いことが分かっており、早期診断・治療が非常に大切です。
関節破壊の進行を抑えるのに大変有効である生物学的製剤、JAK阻害薬ですが、副作用として肺炎や結核などの感染症にかかりやすくなる、薬代が高額で患者さんの経済的負担が大きくなるなどの欠点もあります。最も重要なのは、発症早期に適切な治療を受けること。患者さんの年齢や合併症の有無、生活背景、経済的事情などを総合的に考慮し、一人ひとりに合った薬の選択や組み合わせなどを見極めていきます。
関節の腫れや痛みが続き、リウマチが疑われるなら、お近くの専門医に相談してください。