2009年2月12日木曜日

「歯周病と矯正治療」についてお話を伺いました。

ゲスト/E-line矯正歯科 上野 拓郎 歯科医師

歯周病について教えてください。

 35歳以上の8割を超える人がかかっているといわれる歯周病。歯や歯ぐきの周りに付くネバネバとしたプラーク(歯こう)が原因となる、歯の周辺組織の病気です。初期は歯ぐきが赤く腫れている状態で、歯を磨いた時や堅いものをかむと出血し、歯と歯ぐきの間に浅い歯周ポケットができ、歯肉炎と呼ばれます。
 さらに炎症が進むと、歯周ポケットが深くなり、歯槽骨と呼ばれる歯を支えている骨を溶かし始めます。この状態を歯周炎と言いますが、虫歯のような痛みがないため、なかなか自分では気が付かず、進行すると歯槽骨がやせ、歯がグラグラするようになり、放っておくと最終的には抜けてしまいます。
 歯周病は細菌による感染症であり、同時に生活習慣病という側面もあります。ストレスや喫煙、間食などが症状を悪化させます。

歯周病と矯正治療について教えてください。

 かみ合わせ、歯並びが悪いと、どうしても磨き残しができやすくなり、歯周病になる確率が高くなります。特に上顎(がく)前突や開咬(かいこう)は、口が閉じづらく歯ぐきが乾きやすいため、歯周病のきっかけになります。かみ合わせると、一部分だけ強く当たる場合も注意が必要です。
きれいな歯並びであれば、正しくブラッシングができ、歯周病の予防になります。
最近では、大人になってから矯正治療を始める人も珍しくありませんが、歯周病を持った患者さんも少なくありません。このような場合は、歯科医と矯正歯科医が連携し、まず歯周病の症状を改善した後に、矯正治療を始めるというのが一般的です。
また、矯正治療中の器具によってブラッシングがうまくできないと、歯周病の原因となるプラークが残りやすくなるので、注意が必要です。
矯正治療も歯周病予防も、長く自分の歯で食事を楽しむために重要です。歯の手入れを完璧に、と思っても素人の手では限界があります。定期的にプロによる歯のクリーニングPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)を受け、プラークコントロールをした上で、自分自身の手によるセルフケアを行いましょう。

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