2008年8月6日水曜日

「紫外線とシミ、シワの治療」について

ゲスト/緑の森皮フ科クリニック 森 尚隆 医師

紫外線について教えてください。

日本では、5月から8月がもっとも紫外線が多くなる時期です。この季節は肌の大敵である紫外線に特に注意が必要になります。曇りの日でも紫外線は浸透性があるので油断禁物です。紫外線A波(UVA)は、肌へ深く浸透し肌の色を黒くしたり、シワやたるみの原因となります。紫外線B波(UVB)は、遺伝子にダメージを与え、シミの原因や皮膚がんの誘因となる危険性もあります。予防として手軽にできるのは、皮膚表面に塗るだけで紫外線をカットできる日焼け止めクリームです。重ね塗りや塗り直しなど、正しい使い方でケアして下さい。

シミやシワができてしまったら、治療法はありますか。

シミは主にQスイッチレーザーなどを使用して、皮下のメラニン組織のみを選択的に破壊します。基本的には一度で済みますが、ばんそうこうを張ったり照射後に色素沈着を起こすことなど、アフターケアには注意すべきことがあります。
しかし、すべてのシミにレーザー治療ができるわけではありません。例えば、女性ホルモンの影響などでできる肝斑(かんぱん)は、レーザー治療を行うことで逆に濃くなる可能性が高いため、光治療のフォトセラピーやピーリングなどが使われます。数回の治療でシミだけではなく血管拡張、毛穴、小ジワなどを同時に改善する総合的な治療で、そのままメークをしてお帰りになる方も多いです。
また、盛り上がっているシミやイボには炭酸ガスレーザーが使われ、瞬間的に治療部位を蒸散させ、ほとんど出血せずに治療が可能です。
深くへこんでしまったシワには直接注入し、盛り上げてシワを目立たなくさせるヒアルロン酸などの注入法があります。麻酔クリームを塗ってから治療するので、施術中の痛みも少なく短時間で終了します。保険の適用外ですが、最近では、自分自身の血液を精製し、血小板や白血球を濃縮して、気になる部分(シワ・たるみ)に注入するセルリバイブ(白血球含有多血小板血漿)注入療法も行われています。さらに、セルリバイブに細胞成長因子を添加することで自然治癒力・組織再生力を利用する治療法も登場しています。このような治療は、専門医とよく相談し、自分に合った方法を選択されることをお勧めします。

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