2008年3月26日水曜日

「長引く咳(せき)と花粉症」について

ゲスト/大道内科呼吸器科クリニック 大道 光秀 医師

春先にみられる長引く咳について教えてください。

風邪をひいたわけでもないのに、しつこい咳に悩まされることがあります。また、風邪が治ってもいつまでも咳だけが残ることもあります。発熱がなく、レントゲン写真にも異常がない場合は、アレルギーによる咳が考えられます。 この時期、本州ではスギによる花粉症がシーズンを迎えていますが、北海道で患者数が多いのは、主にシラカバ、ハンノキによる花粉症で、雪解けのころから始まり、4月下旬から5月がピークです。鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状が出ますが、今まで花粉症になったことがない人でも体の中で、花粉に対する抗体が少しずつ蓄積されて、ある年に突然発症します。またシラカバ花粉症では、花粉症の症状が治まってから咳が出てくる事があります。ひどい場合は夜眠れないほどの咳や、呼吸が苦しくなることもあり注意が必要です。特に花粉の飛散量が多い年に、咳を訴える患者さんが増えます。 ひどい咳が止まらない人の中で、ぜんそく発作であったことが分かった人も結構います。 長引く咳は放っておかず、一度呼吸器科を訪ねてみることをお勧めします。

治療法、予防法について教えてください。

花粉症を根本的に治療するには、時間をかけて体質を改善していくしかありません。ただ、スギ花粉症の体質改善の注射はありますが、シラカバ花粉症の体質改善の注射はまだありません。現在、出ている症状を抑えるのなら、抗アレルギー剤の服用、点鼻薬、点眼薬などがあります。毎年のように発症するのであれば、花粉が飛び始める2週間程度前に予防的に抗アレルギー剤を内服するとシーズン中の症状が軽減されます。 ひどい咳が続く場合は、ぜんそく発作かどうかを調べ、必要に応じて吸入ステロイド剤を使用します。 予防策としては、花粉の飛散が多い晴れた日の外出を控えたり、外出時にマスクを着用、うがいや手洗いをするなど、基本的なことが効果的です。帰宅時には入室前に髪、衣類についた花粉を払います。 咳がいつまでも続く場合は、アレルギー性である場合も考慮して専門医を受診しましょう。

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