ゲスト/北海道大野病院附属駅前クリニック 古口 健一 医師
ジェネリック医薬品とはどういうものですか。
新薬として開発された医薬品は20~25年の特許期間が定められており、その期間内に実際の治療に数多く使われることで、有効性や安全性が十分に確認されます。特許期間を過ぎると、他社が同じ薬品を製造・販売できるようになります。この場合、新薬に比べて試験項目が少ない分、研究費もかからないため、低廉な価格で提供することが可能となります。この後発医薬品のことをジェネリック医薬品と呼び、新薬の2~7割という低価格で販売されています。
日本では最近になって、知名度が高まりましたが、欧米では、すでに50%以上がジェネリック医薬品になっています。日本での普及率は16%程度です。ジェネリック医薬品の普及は、個人の負担が軽くなるだけでなく、国の医療費の軽減にもつながるため、日本でも2002年から使用促進が国の方針として取り入れられました。
ジェネリック医薬品のメリット・デメリットを教えてください。
第一のメリットとしては、何といっても価格が安いことです。長期にわたって服用が必要な薬であれば、医療費負担がぐっと軽減されます。第二に薬の味や大きさなどが改善され、先発の医薬品を上回る製品も見られます。
デメリットとしては、品質のばらつき、薬物動態(薬物の吸収・分布・代謝・排せつ)の多少の差などが認められます。主成分は同じでも、そのほかの構成成分が違うため、それによるアレルギー症状を引き起こす可能性もあります。
先発医薬品に比べ、流通に難がある、情報提供が新薬メーカーほど密ではないなどの問題点も挙げられます。また、例えば小児向けの新薬開発に長年取り組んでいるメーカーは、子どもが飲みやすいように工夫を重ねますが、後発医薬品では、そういった点に劣ることがあります。ごく少量の差で効果が違うデリケートな薬品では、適切な処方が難しい場合もあります。
ジェネリック医薬品を希望するときは、メリット、デメリットについて正しく理解することが肝心です。遠慮せずに主治医に相談して、納得できる医薬品を選ぶことをお勧めします。