2003年4月16日水曜日

「セルライト」について

ゲスト/緑の森皮フ科クリニック 森 尚隆 医師

最近よく耳にするセルライトとは何でしょうか。
そのメカニズムを教えてください。

 女性の大腿(たい)部、でん部などに見られる、皮膚の表面がみかんの皮のようなデコボコになっている肌のことで、オレンジピールスキンとも呼ばれています。ほとんどの女性に潜在的に存在するといわれています。通常、脂肪細胞は血管に隣接し、血液が運ぶ栄養分などを取りこんで、エネルギーとして蓄えています。しかし、運動不足、食べ過ぎ、加齢による代謝低下、冷え、むくみなど、さまざまな要因により、血行やリンパの流れが悪くなり脂肪細胞が血管から分離し、孤立して肥大化していきます。これがセルライトです。語源は70年代の初めにフランス語で細胞を表す「セルリ」に「鉱物」を表す接尾語が付いた造語で、当初は美容面での注目度が高かったのですが、80年代になってからようやく医学的に研究が始まったといわれています。セルライトのできやすい部分は、基本的に皮下脂肪が多く、血行の悪くなりやすい部分です。ヒップ、ウエスト、お腹、ふともも、二の腕などですが、特にできやすいのがヒップからふとももにかけてです。このセルライトは肥満とは異なり、ぽっちゃり型の人からやせ型の人にも見られ、ダイエットやエクササイズをしても、肥大化してしまった脂肪を代謝することが難しいものだといわれています。

セルライトの除去方法はありますか。

 除去方法としては、高周波の熱エネルギーを利用した医療温熱機器、超音波、ダイオードレーザーによる治療、マッサージなどが挙げられます。中でも効果がはっきりしているといわれるのは、米カリフォルニア大学で研究されたボディーデザイン医療機器・エンダモロジーです。学会などの研究報告や臨床データで効果が期待されると多くの発表がありました。FDA(米国食品医薬局)の認可も受けています。セルライトは、欧米では肥満や血行障害など、健康上良くない兆候として医学的な面から注目されていますが、国内においては、まだあまり認識されていないのが現状です。

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