2002年3月19日火曜日

「矯正治療の気になる点」について

ゲスト/E-line矯正歯科 上野 拓郎 歯科医師

歯列矯正というと、装置が目立つのではないかと心配ですが。

 一般的な矯正は、歯の外側から金属や透明な材質の小さなブラケットを付け、それに細いワイヤを通して歯を動かす固定式の装置を使います。以前は銀色のものがほとんどで、大変目立ったのですが、近ごろは目立たない種類も増えてきました。どうしても矯正装置が見えることに抵抗があるという人には、歯の裏側からの矯正という方法もあります。装置が見えないため、外見が気になる若い女性や人と接する職業の方に適しています。また、激しいスポーツをする人にも、装置でケガをする可能性が低いのでお勧めします。外側からの矯正に比べて多少治療費が高くなりますが、効果も費やす時間も同じです。ただ、見づらくなるため、歯磨きなど歯のケアについては若干しづらくなります。また、この治療法を行っていない矯正歯科もありますので、希望する場合はあらかじめ確認してください。

大人の矯正に年齢は関係ありますか。

 基本的に年齢は関係ありません。成人の矯正治療の場合、不正咬合(こうごう)のほかに歯周病や歯の欠損などの問題を抱えていることも多く、咬(か)み合わせを正しくするとともに口の中の健康を回復するという意味合いがあります。奥歯の欠損した部分に埋没している親知らずを引っ張り出して空間を埋めるなどという治療も可能です。矯正専門医と歯科医師が協力して治療するのが一般的です。歯科矯正は10代前半が1番スムーズに治療できますが、逆に外科手術を伴う矯正治療の場合は、骨格が出来上がった高校生以上にならないと行えません。大きく顎(あご)が飛び出す、曲がっているなどの顎(がく)変形症の人が主な対象です。この場合は口腔(こうくう)外科、形成外科と矯正専門医が協力して治療に当たります。手術といっても口の中から行うので傷跡はつきません。歯を動かす期間は3年程度で、手術前の矯正、手術後の調整を行います。一般の矯正治療は保険診療の対象外ですが、外科治療を伴う場合は保険診療対象となります。

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