2020年11月11日水曜日

ウィズ・コロナ時代のリウマチ診療

 ゲスト/佐川昭リウマチクリニック 佐川 昭 院長


ウィズ・コロナ時代のリウマチ診療について教えてください。

 新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、人々の社会生活に対する意識や人生観までもが大きく様変わりする時代の波が押し寄せています。

 “コロナ”の影響についてリウマチ患者さんを対象としたアンケート調査(自由回答)では、現在も「感染が怖い」ため「外出や行動を自粛」しており、「不安」「心配」「ストレス」を抱えていること、「いつまで続くか分からない」ことが「精神的に疲れる」、コロナが怖くて「病院に行くのをためらってしまう」などの声が寄せられました。

 “コロナ”の怖さ、厄介さについては皆さんもさまざまなニュースでご存知のことと思います。しかし、必要以上に煽(あお)られることなく、正しく怖がり、適切な感染防止に取り組んでいくことが重要であることは言うまでもありません。現時点では、リウマチ患者さんが“コロナ”にかかりやすい、あるいは重症化しやすいという報告はありません。

 リウマチは日々の綿密なケアと治療が必要な疾患ですが、病院(受診)は感染リスクが高いという風評に基づき過度に感染を恐れて、定期の受診を延期したり服薬を自己中断したり、体調管理に重要な散歩などの運動を中止してしまったりする患者さんが見受けられることを憂慮しています。必要な受診を控えたり服薬を中断したりすると、症状の悪化や再発(再燃)のリスクを高め、長期的な予後の悪化につながります。また、極端な自粛生活で体を動かさない状態が続くと、体の動きや頭・心の働きが鈍くなり、本当に動けなくなってしまい、体と心のフレイル(虚弱)が進んでいく病気「生活不活発病」になるおそれもあります。フレイルが進むと、もとの状態に回復することが難しく、いわゆる寝たきり状態に進行する可能性があります。院内感染よりもずっと身近な「受診控えのリスク」をご理解いただきたいと思います。

 今では多くの病院で、院内感染を防ぐ方法を学習しました。ウイルスの性格も感染する経路も、濃厚接触の定義も明らかになってきました。誰もが安心してリウマチ診療を受けられるよう、受付にビニールシートを設置する、来院時の検温のお願い、院内環境のアルコール消毒と換気の徹底などはもちろんのこと、可能な限りの感染防護体制を整えるべく、病院は感染が怖い場所という風評を打ち破るほどの努力を、私たちリウマチ医療関係者は日々続けているところです。