2020年6月3日水曜日

知っておきたい体温の話

ゲスト/佐野内科医院 佐野 公昭 院長

体内の温度はどうなっているのですか。また、「平熱」とはいったい何度なのでしょうか。体温について詳しく教えてください。
 私たちの体は、熱を産生して体内の温度をまわりの温度より高く維持しています。体内の温度は、体の中心部は高くなっていて、外側になる手足や皮膚に近いところでは低くなっています。中心部分が高いのは脳や心臓、肝臓など、大切な臓器の働きを保つためです。体の中心部の温度は日常的には測れないので、体に負担をかけずに簡単に検温できる場所として、脇の下(腋窩)、口の中(口腔)、耳、直腸など体の表面に近い場所が用いられています。測定する部位ごとに検温に必要な方法や時間が異なり、得られる温度も異なります。平熱も部位によって違うのです。
 日本人の平熱は、一般的に36.6℃から37.2℃の間といわれていますが、あくまでも平均値で個人差があります。年代によっても異なり、子どもは体温が高めで、高齢では低めになります。体温は1日のうちでも変動します。早朝が最も低く、次第に体温は上昇し、午後3〜6時に最高値を示します。その後、夜に向けて下がっていきます。また、運動や食事、睡眠、女性の生理周期などによっても変動します。
 ご自分の平熱がどれくらいか、ふだんから知っておくとよいと思います。数日にわたって同じ部位で同じ時間帯で測るようにしてみてください。起床時、昼食前、夕方、就寝前の計4回検温し、時間帯ごとの平熱として覚えておくと、発熱を正しく判断できます。発熱の基準も一概にはいえません。自分の平熱より明らかに高ければ発熱ということになります。
 体温は、ご家庭にある体温計で誰でも気軽に測れるもっとも身近な体調チェックの手段です。一人ひとりが自分専用の体温計を持つのが理想です。計測場所や用途に応じてさまざまなタイプの体温計がありますが、最も一般的なのは脇の下で測るものです。
 測り方のコツは、体温計の先を脇の下のくぼみの中央にあて、体温計が上半身に対し30度くらいになるようにして脇を閉じます。肘を体に密着させ、体温計をはさんだ方の肘をもう一方の手で軽く抑えます。脇が完全に温まったときの温度を「平衡温」といい、これを測るのが正しい検温です。脇を閉じてから平衡温に達するまでには10分以上かかります。体温計によっては予測式と言って短い時間で測定できるものがあり、測定時間はさまざまです。測定が終わるまではじっと動かないで測定して下さい。