2016年4月6日水曜日

女性と脳の病気


ゲスト/札幌宮の沢脳神経外科病院 笹森 由美子 医師

女性に多い脳の病気について教えてください。
 こめかみから目のあたりにかけてドクン、ドクンと脈打つように痛む片頭痛は、20〜40代の女性に多く見られる病気です。吐き気を伴い、体を動かすと痛みを増すのが特徴で、頻度は年に1、2回からほぼ毎日とさまざまです。
 頭痛は大別すると2種類に分けられます。脳腫瘍(しゅよう)やくも膜下出血などによる「症候性頭痛」と、片頭痛や緊張型頭痛などの「機能性頭痛」です。症候性頭痛は原因が明らかですが、機能性頭痛はCTなどの検査でも明確な異常が認められないことが多いです。片頭痛は女性の場合、生理前後のホルモンバランスの変化や疲労、ストレスなどが引き金になると考えられています。
 片頭痛の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が中心です。片頭痛の薬は、通常の鎮痛薬で効果が乏しい人にも有効な場合が多いので、痛みを我慢せずに病院で治療を受けてきちんと対処しましょう。
 また、脳の血管が詰まる脳梗塞、血管が破れて出血する脳出血、くも膜下出血の3つが主となる脳卒中は、男性に多い病気と思われがちですが、それは間違いです。女性も自分が脳卒中を発症する可能性があることを知ってください。

女性の脳卒中について教えてください。
 例えば、脳梗塞は男性なら30代以降に発症数が増えますが、女性は閉経後、女性ホルモンの分泌が急激に減ることで、動脈硬化を起こしやすくなり、脳梗塞の発症数も増えてきます。また、くも膜下出血は高齢の男性に多いイメージがありますが、実は女性が7割を占めており、発症率は男性の約2倍です。
 脳梗塞予防の基本は、禁煙や暴飲暴食を慎むなど生活習慣を改善し、動脈硬化を進めないことです。くも膜下出血に関しては、遺伝的素因のある場合は、積極的に脳ドック(MRI、MRAなどの検査)を受診すれば、動脈瘤(りゅう)の有無が分かり、予防的な治療もできます。40歳を過ぎたら健康診断のつもりで一度検査を受けることをお勧めします。脳出血に関しては、高血圧の管理・治療をしっかり行っていくことが何よりも大切です。
 女性は家事育児に時間をとられて自分の受診が後回しになりがちですが、大切な家族のためにご自身の健康に留意してください。