2014年2月5日水曜日

低温やけど


ゲスト/宮の森スキンケア診療室 上林 淑人 院長

冬季に増える「低温やけど」とはどのようなものですか。
 低温やけどとは、それほど熱くなく普通はやけどを起こさないような温度で起こるやけどを言います。42度以上の温度で起こり得ます。熱さを感じない、もしくは心地よさを感じる温度でも、長時間、体の同じ場所に触れ続けているとやけどが起きます。道内では、就寝中に湯たんぽを使っていたことが原因で、脚の横ずねやかかとに起きるケースが最も多いです。カイロを貼っていることを忘れて長時間使ったり、ストーブやファンヒーターの前で居眠りしたりするのも危険です。
 やけどの程度は、温度と接触時間によって変わります。通常のやけどと異なり、低温やけどは弱い熱でゆっくりと皮膚と皮下の組織にダメージを与えます。熱さや痛みに気付かないうちに、いつの間にかやけどになってしまうのです。長時間接触しているため、範囲は小さくても、深いやけどになるのが特徴です。皮膚表面の下にある真皮組織や、その下の脂肪、場合によっては筋肉まで達することもあります。
 やけどが比較的浅いものであれば、軟こうなどの治療で治りますが、それでも1~2ヵ月かかるケースがほとんどです。さらに深いやけどとなると、壊死組織を除去したり、場合によっては皮膚移植など手術が必要になることもあります。また、治っても瘢痕(はんこん)が残ってしまいます。

低温やけどで注意すべきポイントを教えてください。
 低温やけどは、最初は軽いやけどだと誤解されることが多いです。しかしながら、受傷後しばらくたってから「やけどが治らない」と受診する人が多いです。受傷部位が細菌などに感染すれば、高熱が出たり、ときには敗血症のような重篤な症状を引き起こしたりします。また、処置が遅れると、治療期間も長引きやすいので、決して自己判断せず、できるだけ早く形成外科や皮膚科の専門医を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
 暖房器具の使い方を注意するのが、低温やけどの予防法です。湯たんぽはあらかじめ就寝時に布団から取り出すのが安全な使い方です。カイロは直接肌に貼り付けることを避け、下着や衣服の上に当てて使用しましょう。また、長時間同じ場所に当てずに温める場所をこまめに移動するのが安全です。ストーブやファンヒーター、パネルヒーターなどの前で居眠りしないよう、くれぐれも注意してください。