2012年6月6日水曜日

喘息とアレルギー性鼻炎の合併について


ゲスト/白石内科クリニック 干野 英明 医師


喘息とアレルギー性鼻炎の関連を教えてください。
 喘息は、気道に慢性的な炎症が生じてその中が狭くなり、気道が過敏になることを特徴とする呼吸器疾患です。繰り返し起こる咳、喘鳴(ぜんめい)、呼吸困難などが主な症状です。喘息の原因にはさまざまなものがありますが、アレルギー素因は危険因子の代表的なものです。中でも、アレルギー性鼻炎は、喘息との関連が従来より指摘されています。
 わが国において、喘息に合併するアレルギー性鼻炎の頻度は、最近行われた調査によると、15才以上の成人喘息では約67%でした。一方、小児喘息では、別の調査で約75%という結果が出ています。これらの結果から、喘息は高率にアレルギー性鼻炎を合併していることが分かります。合併率は、年齢で見ると若い人ほど高く、加齢とともにやや減少するようです。
 喘息とアレルギー性鼻炎は、共通点が多いことがいわれています。アレルギーの起こるメカニズムは、共にIgE抗体を介した即時型アレルギー反応です。ダニやハウスダスト、犬や猫の毛、花粉など、共通する抗原が多いのも特徴です。上気道の鼻の粘膜でも下気道の粘膜でも、好酸球などの炎症細胞の浸潤は同じように認められます。最近では、上気道と下気道を連続した構造と考え、喘息とアレルギー性鼻炎の合併を、気道全体における一つの疾患と捉えて治療していこうという動きがあります。

どのような治療法がありますか。
 成人喘息の長期管理薬の第一選択は、吸入ステロイドです。アレルギー性鼻炎を合併している場合は、その治療も重要であり、抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬などを併用します。わが国では、抗ヒスタミン薬のうち、第二世代の一部に喘息の保険適用があります。ロイコトリエン受容体拮抗薬は、アレルギー性鼻炎にも喘息にも保険適用があります。小児喘息では、内服薬のロイコトリエン受容体拮抗薬から始めて、吸入ステロイドを併用していくのが基本です。
 最後に、アレルギーの治療の根本は、原因となるアレルゲンからの回避ですから、ダニやペットなどの吸入アレルゲンの飛散を減らすために、環境整備が重要であることはいうまでもありません。