2011年3月16日水曜日

「歯の矯正器具」

ゲスト/つちだ矯正歯科クリニック 土田 康人 院長

歯の矯正器具にはどんな種類がありますか。
 歯の矯正器具は種類が豊富で、それぞれ使い方や効果も違います。通常、歯科矯正と聞いてイメージされるのは、銀色をしたメタルの装置ではないでしょうか。これはマルチブラケットという器具で、歯の表面に装置を取り付け、ワイヤーでつなぐことで、歯を意図する位置まで少しずつ動かしていくためのものです。最近ではこの器具のメタルの部分を、透明なプラスチックやセラミックに置き換え、見た目が目立ち過ぎないような配慮がなされたものが登場しています。より目立たせないという意味で歯の裏側に取り付ける方法もあります。そのほか、取り外しのできるマウスピース型の装置や、歯茎にチタン製のネジ状のものを入れて固定源にするミニインプラントといった、従来に比べて目立たず、また治療期間を短縮できるような器具や治療法が登場しています。
 矯正器具にはそれぞれメリットとデメリットがあります。例えば、歯の裏側に装着する方法では、表側に装着する場合と比べて目立たないというメリットがありますが、一方で費用が高く、治療期間が長くなるというデメリットもあります。患者さんの症状や治療の内容に加えて、患者さんのライフスタイルや要望、予算を十分に考慮した上で選択する必要があります。

近年、成人の歯科矯正に対する意識はどのように変化していますか。
 以前は、社会生活の中で矯正器具を装着することに抵抗を感じる人が多かったのですが、近年は、患者さんの多様な要望に応えられるような、矯正器具や治療法の選択の幅が広がったため、成人で歯科矯正を行う人が増えています。また、治療器具をできるだけ目立たせなくするという考えではなく、あえてパステルカラーやビビッドカラーの矯正器具を装着し、歯科矯正自体をファッションの一部として楽しむ人も増えてきているようです。矯正器具の装着が決して〝恥ずかしいもの〟ではなく、むしろ、健康な歯への意識の高さを表すものだと、堂々と歯の表側に矯正器具を装着する人が増えるのはとても素晴らしいことだと思います。
 歯や歯茎さえしっかりしていれば、歯科矯正は何歳からでも始めることができます。心身ともに健全な生活を送るためにも、自身の口元に悩みやコンプレックスがあったら、ぜひ一度専門医にご相談ください。

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