2009年12月16日水曜日

「顎(がく)関節症」について

ゲスト/つちだ矯正歯科クリニック 土田 康人 歯科医師

顎関節症について教えてください。
 顎関節やこめかみなどが口の開け閉め、食べ物を噛(か)む時に痛む。あごを動かした時に「カクカク」「シャリシャリ」「ミシミシ」といった音がする。開閉時に下顎が左右にズレてガクガクする、口がスムーズに開かない。このような症状を顎関節症といいます。20〜30代の女性に多く、小・中学生ではほとんど見られません。原因は一つではなく、いくつかの要因が重なって発症するものと考えられます。食い縛りや歯ぎしり、偏った咀嚼(そしゃく)などが原因として挙げられます。ストレスによって発症することもあり、受験期に発症し、受験が終わると治ることもあります。 原因として一番多いのは、やはりかみ合わせです。治療した歯が、1本高い低いという程度でもかみ合わせに異常が生じ顎関節症を誘発することがあります。反対咬(こう)合、上顎前突、開咬、顎偏位症(下顎が左右どちらかに曲がっている)など、顎関節に負担がかかる人は、注意が必要です。

治療、予防について教えてください。
 治療は症状によりますが、スプリントと呼ばれるマウスピース状のものを使うのが一般的です。歯の一部または全体を覆うもの、上顎用、下顎用などがあります。スプリントによって、顎関節や筋肉への負担を軽くして、歯ぎしりや食い縛りを緩和します。痛みのないかみ合わせを見つけ、その位置で安定させ、きれいなかみ合わせを作ります。 このような処置で改善できないほど重症のあごの異常の場合は、外科矯正が必要になることもあります。いずれにしても症状が軽い方が治療も早くできますので、顎関節に異常を感じたら、矯正歯科や口腔(こうくう)外科など専門医を受診してください。 
 日常生活の中では、片側でかむ癖や、ほおづえも顎関節症を誘発します。うつぶせ寝や、寝る向きの左右の偏りも、顎関節に悪影響を与えます。また、子どものかみ合わせや歯並びの異常は、将来顎関節症の原因となる可能性があります。早めの矯正治療で正しいかみ合わせ、歯列にすることによって、潜在的な要因を取り除くことができます。