2008年9月24日水曜日

「ブラキシズム(歯ぎしり、かみしめ)」について

ゲスト/石丸歯科診療所 石丸 俊春 歯科医師

ブラキシズムについて教えてください。

ブラキシズムは、そしゃく筋の異常な運動のことで、かみしめ、歯ぎしりなどです。かむ力は、強い人では70㎏を超えますが、ブラキシズムはその力が持続的に加わり、さまざまな問題を引き起こします。しかし、音の鳴らない歯ぎしり、無意識のかみしめなど、本人が問題に気が付いていない場合が多いので注意が必要です。ブラキシズムはほとんどの人に見られ、一時的に強くなる場合もあります。
ブラキシズムによる悪影響としては、歯がすり減る、しみる、割れる、歯周病の進行を早める、歯の周囲の骨の増殖、顎(がく)関節症、口腔(こうくう)周囲筋の痛み、顔の変形、頭痛、肩こりなどが挙げられます。
ブラキシズムの自己診断については、以下をチェックしてください。

1)詰め物や冠がよくはずれる
2)犬歯や前歯が極端に摩耗
3)歯や義歯の破損(けがを除く)
4)歯の付け根がくぼんでいる
5)むし歯でないのにしみる、かめないことがある
6)ほおの内側や舌の周囲に歯型がついている
7)歯ぐきの隆起
8)顔が左右非対称
9)えらが張っている
10)顎関節の痛み、異常音
11)起床時の頭頚(けい)部の張り
12)原因不明の頭痛、肩こり

家庭でできるブラキシズム改善法を教えてください。

口元のリラックスした状態とは、背筋をのばし、口唇を軽く閉じると舌の先は上の前歯のすぐ後ろ(スポット)に付きます。口唇を閉じたまま、ゆっくり鼻呼吸をしていきます。上下の歯はあたりません。

1)前かがみでかみしめていたら、姿勢を正しましょう。特に長時間集中する作業(パソコン、書き物、庭仕事など)の時は気を付けましょう。
2)食事は口唇を閉じ、口元を使って左右でゆっくりかむようにします。よくかむとブラキシズム改善につながります。
3)ほおづえ、うつぶせ寝、電話を首にはさんで長時間話す、横になってものを食べるなどは避けます。
4)舌の先はスポットをイメージして就寝します。枕は低めの方がいいです。
5)ストレスは早めに取り除きましょう。さらに、よく笑い、よくしゃべることはブラキシズムの予防になります。気になる症状がある場合は歯科専門医への受診をお勧めします。

2008年9月17日水曜日

「少ない永久歯」について

ゲスト/つちだ矯正歯科 土田 康人 医師

生まれつき歯が少ない、ということはあるのですか。

以前テレビでも取り上げられましたが、受診する患者さんを見ていても、生まれつき歯の数が少ない人=「先天欠如」が確かに増えているように感じます。乳歯が抜けたのに、いつまでも永久歯が生えてこない、いつまでも乳歯のままで生え変わる気配がなく、レントゲンで調べても永久歯が見えない、6歳臼(きゅう)歯がいつまでも生えてこないケースなどが増加しています。歯が欠損する原因ははっきりしませんが、人間が進化すると、歯は逆に退化傾向にあるといわれます。つまり、歯が少ない現代人は進化した形なのかもしれません。歯が少ないと咬(か)み合わせが崩れ、顎(がく)関節症などの原因になることがあります。
逆に、歯が多い過剰歯も上顎前歯を中心によく見られます。この場合は隣の歯の根を溶かすなど、悪さをする場合があるので注意する必要があります。

実際の治療について教えてください。

足りない歯の個所や本数にもよりますが、欠如した歯を補うために、奥から歯を移動して、空間を埋めます。矯正治療では、歯を寄せたり、押したり動かすことができます。永久歯が足りないと分かった時点で、早期に矯正治療に取り掛かれば、歯の移動によって、将来的には見た目も機能面でも問題ないような歯並びにすることが可能です。
また、なるべく乳歯を長持ちさせて、抜けた後はブリッジにするという方法もありますが、その場合欠如している歯の前後の歯を削らなければなりません。健康な歯を削ることに抵抗がある人も多いでしょうから、やはり早めの受診で、治療の方針を話し合うことが大切です。ブリッジをするにしても、事前に矯正治療でやりやすい配置にすることが可能です。
歯の本数の多い、少ないは、意外に本人や回りの人は気付かないものです。生え変わり時期に、一度矯正専門医を受診し、歯並び、咬み合せと共に本数やまだ生えていない永久歯の状態も含め、じっくり診察してもらい、問題があれば早期に治療の見通しを立てると安心です。

2008年9月10日水曜日

「肝斑(かんぱん)」について

ゲスト/たけだスキンケアクリニック 武田 修 医師

肝斑について、教えてください。

肝斑は、ほほ骨のあたりやこめかみ、口もとなどに現れるシミの一種で、比較的左右対称という特徴があります。このシミが肝臓の形状に似ていることから「肝斑」と名付けられましたが、肝臓の機能とは関係ありません。30代以降の女性に多く、妊娠や出産、授乳などに影響を受けやすいことから、女性ホルモンと関係が深いといわれています。生理や授乳期によって濃さが変わることもあります。老人性色素斑、雀卵斑(じゃくらんはん=そばかす)と見た目が似ていますので、診断は皮膚科医に委ねることをお勧めします。
女性ホルモン以外にも、紫外線、喫煙、カフェイン、ストレスなどが影響しています。一度出てしまうと、治療をしても完治は難しく、日常的なケアの継続が重要になります。シミをより濃くする紫外線対策を季節にかかわらず万全にし、十分に保湿して肌の新陳代謝を促し、強くこするなど皮膚への刺激を避けるようにしましょう。

肝斑を治療することはできますか。

以前から消炎剤として湿疹の治療などに処方されていた「トラネキサム酸」が、肝斑を薄くするということが分かってきました。ほかにも、ビタミンCの内服、美白外用剤、ビタミンC誘導体のイオン導入・超音波導入、針を使わず有効成分を注入するノーニードルセラピーなどを必要に応じて行います。ただし、健康保険適用外となるものも多く、よく医師と話し合って治療方針を決める必要があります。
ほかのシミには効果があるレーザー治療ですが、肝斑は悪化することもあるので注意が必要です。
肝斑は治療によってごく薄くなっても、完治はしないシミです。放っておけば、年を取るごとにシミが濃くなります。日常的なスキンケアと、内服薬や外用剤の使用は長期間続けないと意味がありません。
紫外線対策では日焼け止め剤の塗布が必要ですが、こまめに塗り直すことで効果が持続します。帽子や日傘も併用しましょう。30代以降のシミの原因は、20代までに浴びた紫外線量が影響します。子どものうちから紫外線予防を心掛けましょう。

2008年9月3日水曜日

「ストレスの対処方法 」について

ゲスト/五稜会病院 千丈 雅徳 医師

ストレスについて教えてください。

精神的に負荷が掛かることを「ストレス」といいます。ストレスの原因は環境や人間関係、経済的、物理的なものまでいろいろあります。ストレスが蓄積すると、イライラや無気力、食欲不振、不眠、うつなどの精神的な症状、高血圧、胃潰瘍(かいよう)など身体的な症状が現れます。
しかし、ストレスがまったく無く、平穏で退屈な生活は、挑戦する意欲や困難を乗り越える喜びを感じることができません。人間は適度なストレスと向き合うことによって刺激や緊張が生じ、張り合いや生きがいをもって毎日を過ごすことができるのです。大切なのはストレスといかに上手に付き合うかということです。

ストレスの対処方法を教えてください。

ストレス発散に効果的なのは、「Rest(休養)」「Recreation(気分転換)」「Relax(くつろぎ)」の3つのRです。心身に症状が出る前に、3つのRを実践して心と体の健康を守りましょう。自らできるストレスへの対処方法としては、「非現実的な目標を持たない」「できないことはできないという勇気を持つ」「ストレスの原因と思えることを書き出してみる」「自分の弱さを認める」「悩みを分かち合う」「人に依存せず、心の中で自立する」といったことが挙げられます。
しかし、自身では対処できないと感じたら、すぐに専門機関を訪ねてください。ストレスによる心身の不調で受診した場合、安定剤などの投薬治療のほかに、悩みを分かち合うカウンセリング、対人交流のスキルアップを目指しての認知行動療法などを行います。認知行動療法では、どういうときにどういった心理状態になるかを自身で認識するため、日記をつけるなどして、感情のコントロールを身につけます。
また、全国的な傾向として30~50代の男性で、ストレスからうつになる患者が多くなっています。その背景には失業、リストラなど仕事や経済的な不安、将来への不安があります。失職あるいは休職している場合は、パソコン操作などスキルアップをサポートしつつ、同じ悩みを抱える者同士で話し合うなどの復職プログラムを行っています。エアロビクスやウオーキングなどの運動療法も心身の健康を取り戻すのに効果的です。このようなプログラムを実践している病院は、全国で増加傾向にあります。回復のためには、医師や専門スタッフなどのアドバイスやサポートを上手に利用し、ストレスに対処する能力を身に付けることができます。