2006年11月15日水曜日

「寝たきり防止は口腔(こうくう)機能向上で」について

ゲスト/石丸歯科 石丸 俊春 歯科医師

口腔機能と寝たきりの防止について教えてください。

 近ごろ、要介護になる原因として、「加齢に伴う生活機能の低下」が重要視されています。衰弱、転倒、骨折、認知症、関節疾患などの生活機能の低下を防ぐためには、「よくかめる歯や義歯を確保し、かむ筋肉を鍛える」「食べ物を好き嫌いなくバランス良く食べて体力を保つ」などの対策が必要です。今年の4月から65歳以上の高齢者を対象にした介護予防のサービスも受け付けられるようになりました。

生活機能改善策として、

1)運動器具による機能の向上
2)栄養改善
3)口腔機能改善
4)認知症、うつ、閉じこもり予防などが柱として挙げられています。
 ここでは、口腔機能改善について説明します。年齢にかかわらず、以下の点に心当たりのある人は注意が必要です。
1)最近硬いものが食べづらくなった。
2)お茶や汁物などでむせることがある。
3)口の渇きが気になる。
4)30秒間で唾液(だえき)を3回以上連続して飲み込めない(反復唾液嚥下(えんげ)テスト)。
5)急激な体重変動がある。

問題があった場合はどうしたら良いでしょう。

 65歳以上で生活機能の低下を感じる場合は、「地域包括支援センター」か「介護予防センター」で、「基本健康診査」を受け、介護予防サービスを受けることをお勧めします。

日常生活では以下の実行を。

1)口腔内を清潔に保つこと。これは上気道感染、肺炎の予防につながります。
具体的には、
a)歯磨き、義歯の手入れ、舌のブラッシング
b)ブクブクうがい、ガラガラうがい
c)ほお内側の粘膜のマッサージ、唾液腺のマッサージ
d)舌を上顎(あご)につけて、ポンと音を鳴らす(舌の動きを良くする)などです。
2)よくかむことを心がける。摂食や嚥下機能向上、認知症防止につながります。
3)会話、歌、笑いの機会を多くする。表情筋、呼吸機能が鍛えられます。

 口腔機能というと口の中の問題と考えがちですが、運動機能、栄養摂取、会話などと深く関係する大切な機能です。「元気な口腔機能」は健康で幸せな人生の大切な条件です。