2006年9月6日水曜日

「脳梗塞(こうそく)・くも膜下出血と予防」について

ゲスト/コスモ脳神経外科 小林 康雄 医師

脳梗塞とくも膜下出血について教えてください。

 脳の血管の障害によって起きる脳卒中には、脳の血管が詰まる虚血性と、血管が切れたり破裂しておこる出血性があります。
 脳梗塞は虚血性の脳卒中で、脳の血管が血栓などによって詰まったり、動脈硬化によって血管が狭くなったり、血流が悪くなって起こる疾患です。
 脳疾患の中でもっとも多く生活習慣病が大きな背景となっており、糖尿病や高血圧症、高脂血症などと深く関係しています。 症状としては、手足のまひ・しびれ、口のもつれ、めまいなどで、一定時間で収まる一過性の発作の場合もあります。一時的に目が見えなくなったり、視野が狭くなることもあります。
 出血性の脳卒中には、脳を覆っているくも膜の下のすき間に出血が起きるくも膜下出血と、血管のもろい部分が破れて脳内に出血する脳内出血があります。
 くも膜下出血は脳卒中全体から見ると少ないほうですが、重篤状態になる確率が高く、症状としては、突然激しい頭痛や吐き気に襲われます。いつもと違う頭痛を感じたら、すぐに受診して下さい。脳卒中は、早期に適切な治療を受けることで予後を大きく左右します。

治療法、予防法について教えてください。

 脳梗塞の予防策・再発防止策としては、生活習慣病の改善が重要です。くも膜下出血の有効な予防策は確立されていませんが、「脳ドック」と呼ばれる脳の検査を行うことにより、まだ破裂していない脳動脈瘤(りゅう)などを発見することもでき、破裂を未然に防ぐ治療が可能になるなど、予防策を講じることができます。40歳代になったら、1~2年に1度は、脳ドックを受けることをお勧めします。
 レントゲン検査で頭と首の健康状態を調べ、MRI(※1)で脳の断層写真を見て、病気の有無や本人が気づかなかった過去の病気がわかります。
 MRA(※2)は血管の狭窄(きょうさく)や閉塞(へいそく)部分・脳動脈瘤の発見、動脈硬化の程度などがわかります。脳ドックは健康保険外になりますが、脳卒中は障害が残ったり、生命が危険にさらされる可能性が高い疾患です。自分の脳の健康は自分で守る時代です。積極的に予防策をとることをお勧めします。

※1)MRI:磁気共鳴画像装置
※2)MRA:磁気共鳴造影装置