2006年9月13日水曜日

運動によるストレスの軽減」について

ゲスト/五稜会病院 千丈雅徳 医師

ストレスについて教えてください。

 ストレスとは精神的に負荷がかかり、「ゆがみ」が生じることをいいます。精神を安定させたいと思う本能に反して、ゆがみで心身にさまざまな反応が生じます。ストレスの原因は、環境、人間関係、仕事、物理的、経済的なものまで、さまざまです。ストレスが蓄積すると、イライラや無気力、食欲不振、不眠、うつなどの精神的な症状だけでなく、高血圧、胃潰瘍(かいよう)など身体的にもさまざまな症状が現れます。
 多くの人はストレスにさらされながら日常生活を送っています。しかし、ストレスがまったくない生活というものも、心身に良い影響を与えません。平穏で退屈な生活は、挑戦する意欲や困難を乗り越える喜びを感じることができません。人は、適度なストレスと向き合うことによって、刺激や緊張が生じ、張り合いや生きがいをもって毎日を過ごすことができるのです。大切なのは、ストレスといかに上手に付き合うかということです。

ストレスにおける運動の効果について教えてください。

 ストレスケアのひとつに、作業療法というものがあります。多くの場合は集団でさまざまなプログラムに取り組みますが、エアロビクスやウオーキングなどの運動療法は、心身の健康を取り戻すのに有効です。しかし、集団に参加すること自体がストレスとなる場合もあります。このような場合は、無理せず個人での運動を勧めています。運動することによって、気持ちが楽になった、張り合いができたなどという心理的効果のほか、体脂肪や体重が健全に保たれ、食欲が増進したり、不眠が解消されるといった効果もあります。
 日常生活の中でも運動を上手に取り入れることによって、ストレスは解消され、身体の健康も取り戻せます。ただし、何事もやり過ぎは逆効果です。1日30分、週3回程度を目安に取り組んでみてはどうでしょう。ジムやプールに通うのもいいし、1駅分歩く、散歩から始めるというのでも構いません。万歩計をつけたり、体重や体脂肪を毎日計測すると、数値の変化が励みになり継続しやすくなります。

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