2006年6月7日水曜日

「血尿」について

ゲスト/元町泌尿器科 西村 昌宏 医師

血尿について教えてください。

 血尿が出ても、痛みや発熱が伴わない場合、そのままにしている人も多いのではないでしょうか。血尿の原因として、膀胱(ぼうこう)炎や尿路結石などが考えられますが、これらは排尿時の痛みや、背中、脇腹に激痛を伴うので、容易に発見されます。急性膀胱炎は大腸菌などの細菌による炎症によって発症します。抗生物質などで治療すれば1週間ほどで治癒します。尿路結石は、尿中のカルシウム、マグネシウム、尿酸などが腎臓で結石となり、尿管や膀胱などに詰まって激しい痛みを起こす病気です。尿が濁ったり、血尿になったりします。利尿剤などで結石を排出させますが、結石が大きいなどで自然排出が困難な場合は、手術が必要になります。体の外から衝撃波を当てて砕石する「ESWL(体外衝撃波結石砕石術)」や、細い内視鏡を尿道、膀胱を通して尿管内に入れ、結石を直接見てレーザー照射で砕く「TUL(経尿道的尿管結石砕石術)」が一般的です。
しかし、膀胱炎や尿管結石のような自覚症状なしに、突然、肉眼でも明らかな真っ赤な尿が出た場合は、膀胱がんの疑いがあります。これは無症候性血尿と呼ばれるもので、膀胱がん、腎がん、前立腺がんなどの泌尿器系がんによって起こる場合もあります。「疲れているから」などと自分で判断せず、翌日血尿が治まったとしても、必ず泌尿器科を受診してください。

血尿が出た場合、どのような検査をするのですか。

 血尿が出た場合、特に中高年は泌尿器科全般にわたる精密検査が必要です。主な検査としては、尿の細胞検査、採血、超音波検査、排せつ性尿路X線撮影、CTスキャン、膀胱鏡検査などがあります。いずれも外来で行うことができます。膀胱がんは、早期発見の場合は内視鏡による切除手術で取り除くことができます。しかし腫瘍(しゅよう)の度合いによっては、膀胱を摘出して、小腸で人工的な膀胱を作らなければならない場合もあります。普段から、自分の尿の色をチェックすることはもちろん、血尿という体からのサインを見逃さず、健康診断などで尿に潜血反応があった場合、必ず専門医の診断を受けてください。