2006年5月31日水曜日

「紫外線防止」について

ゲスト/たけだ皮膚科スキンケアクリニック 武田 修 医師

紫外線について教えてください。

 紫外線には、UV-A波と、UV-B波、UV-C波などがありますが、B波の一部とC波はオゾン層に吸収されて地表には到達しません。紫外線が肌に与える影響は大きく、日焼け後のシミ、ソバカス、しわなどの皮膚の老化、そしてわずかながらも皮膚がんになる可能性さえあります。また、色白の人ほど紫外線には弱い傾向があります。これは皮膚のメラニン生成量が少ないことが関係しています。皮膚の色素が少ないため、紫外線に対する防御能力が弱いのです。女性の場合、20歳までに浴びる紫外線は、人生の半分以上といわれており、化粧をするようになると、それ以降に浴びる紫外線量はそう多くはありません。しかし、生まれた時からその間に蓄積された紫外線の影響が後年になって、シミやシワなどの光老化(紫外線による皮膚の老化現象)となって現れます。

紫外線の有効な防ぎ方を教えてください。

 子どものうちから、外に出る時は日焼け止めクリームを塗ることが望ましいでしょう。最近は皮膚に優しい子ども向けの日焼け止めクリームも多く市販されています。
 日焼け止め商品の効果の表示には、SPFとPAの2種類があります。SPFは、UV-B波を防ぐ効果を時間の長さで表す数値で、数値が大きいほど効果が高くなります。UV-A波を防ぐ指数がPAで、3段階あり“+”が多い方が効果大です。通常の生活であれば、SPF20~30程度PA++で十分です。ただし、汗をかいたり、時間がたつと効果が弱くなるので、朝に塗っても、さらに昼と夕方前くらいに塗り足すといいでしょう。
 また、日焼け止めには「紫外線吸収剤」「紫外線散乱剤」の2種類があります。「紫外線吸収剤」は、紫外線を吸収し熱などに変化させて放出し、肌を守りますが、肌が敏感な人は、かぶれることがあります。「紫外線散乱剤」は、紫外線を表面ではね返します。塗ると白浮きするのですが、肌の負担や刺激が少なく、「ノンケミカルタイプ」といわれています。肌の状態や環境などによって選ぶと良いでしょう。

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