2007年9月26日水曜日

「人間の性格」について

ゲスト/メンタルケアさっぽろ西口クリニック 鈴木 将覚 医師

性格について教えてください。

 「性格だからしょうがない」というセリフを言ったり、聞いたりすることが多いですが、本当にそうでしょうか?人間の性格は、生まれつきのものと思われがちですが、実際には先天的なものと後天的なものの2つの要素からつくられます。たとえば、一卵性双生児であっても、育った環境が異なればまったく違う性格に成長する可能性があります。たいていの場合は、思春期から成人する頃までに性格が確定し、一度確立した性格はなかなか変えることができません。
 しかし、成人後も絶対に性格が変わらないということではありません。明るく朗らかな人が、小言の多いパートナーと結婚してすっかり暗い性格になってしまうこともあります。逆に、悲観的な性格の人が楽観的な人と暮らすようになって、明るくなることもあります。
 性格はさまざまで、どれが良い悪いというものではありませんが、「性格のこと」で悩むことが大きなストレスになります。

性格のことを専門医に相談してもいいのですか。

 「性格は治らないから」とあきらめている人が多いのですが、ぜひ専門医を受診してほしいと思います。
 性格は確かに簡単に変えられません。しかし、専門医と話し合う中で、考え方の幅を広げることができます。基本的な性格が変わらなくても、自分自身の心の引き出しを増やすことができれば、ストレスが格段に軽くなります。
 「性格」のことで悩んで受診する方でも、意外に短時間で「楽になる」という場合があります。投薬が必要であれば、安定剤などを処方することもありますが、基本的には医師との面接の中で驚くほど意識が変わる方も多くいらっしゃいます。「落ち込んでしまう、それに対してマイナス思考になる、さらに落ち込む…」といった悪循環を断ち切り、「良い面もたくさんある」「周りの評価に振り回されることはない」と前向きに物事をとらえれば、自身を肯定的に考えることができます。
 一人で悩んでも解決には結びつきません。構えずに、気軽に受診して考え方を変えるきっかけをつかんで欲しいと思います。

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