2005年4月6日水曜日

「頭痛」について

ゲスト/札幌一条クリニック 後藤康之 医師

頭痛について教えてください。

 風邪をひいたときの頭痛は、時間がたてば必ず治る、いわば病気ともいえない頭痛です。極端に痛んだり、今まで経験したことがない頭痛は、脳内の出血や脳腫瘍(しゅよう)が原因である可能性もあるので、MRIやCTスキャンで検査を受けて、脳の疾患による頭痛か否かを診断します。この2種類の頭痛のほかに、繰り返し強い頭痛に悩まされ、脳の検査をしても異常が見つからない慢性頭痛があり、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛などがあります。
 一般に多いのは、緊張型頭痛です。頭が重い、圧迫感がある、締め付けられるような鈍痛が続きます。原因は、肩や首の筋肉の緊張によるもので、頭の皮下の血流が悪くなって、痛みを生じます。肩こり人口の多い日本人に多い頭痛です。一日中痛みが続く場合もありますが、精神的なストレスや疲労が強い場合に痛むことも多く見られます。予防法としては、精神的、肉体的ストレスを趣味や運動などで上手に解消することが有効です。パソコンなどによる眼精疲労、枕の不具合などが原因のこともあります。

片頭痛はどのような症状でしょうか。

 症状としては、月に1~2回から週に1~2回、頭の片側、または両側にズキンズキンとした強い頭痛が起こります。痛みの継続時間は人によってさまざまで、数時間で治まる人もいれば、数日続く人もいます。男性よりも女性、特に30歳代の女性に多く、親子で遺伝する場合も多くみられます。血液中にある血管を収縮させる働きのあるセロトニンが関係していると考えられていますが、原因は特定されていません。食べ物が誘引する場合もあります。光をまぶしく感じたり、音をうるさく感じる場合も多いので、症状のある時に暗い部屋で安静に過ごすといいでしょう。
 緊張型頭痛、片頭痛の治療法としては、神経ブロックで痛む神経を遮断し、さらに鎮痛剤などを服用します。根本的な治療は難しいのですが、痛みを取り除いて、原因がストレスにあればカウンセリングなどを並行して受けることをおすすめします。

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