2019年4月17日水曜日

鼻から入れる内視鏡(経鼻内視鏡検査)

ゲスト/やまうち内科クリニック 山内 雅夫 院長

鼻から入れる内視鏡について教えてください。
 これまで、胃内視鏡検査は口から入れる経口内視鏡を用いるのが一般的でした。しかし、最近は「経鼻内視鏡検査」という鼻から挿入する方法で検査が行われることが増えてきました。経鼻内視鏡はかなり以前からあったのですが、近年は性能が良くなり、導入する医療機関が急増しています。
 経鼻内視鏡は弾力性のあるしなやかなチューブで、直径は5mm台と一般的な経口内視鏡に比べて細く、スムーズに挿入することができます。画像もクリアな高画質で、視野が広く、ごく小さな病変も発見することが可能です。
 経口内視鏡は挿入時、舌の付け根の舌根という部分に内視鏡が触れることで、検査の最中に吐き気をもよおすことがあるなど、患者さんの負担が大きかったのですが、経鼻内視鏡では、鼻から挿入した内視鏡は鼻腔(びくう)を通って食道に入るため、嘔吐感や痛みがほとんどありません。また、検査中に医師と会話できることも、患者さんと医師双方にとって大きなメリットになっています。

経鼻内視鏡検査の流れを教えてください。
 最初に鼻づまりがあるか、鼻血が出やすいかなど鼻の状態を確かめます。鼻の疾患がある場合などは、経鼻内視鏡が使えないこともあります。
 前処置として、鼻腔に「局所血管収縮剤」をスプレーし、鼻の通りを良くして出血をしにくくします。続いて、鼻腔に麻酔薬を注入してから、麻酔薬を塗った内視鏡と同じ太さの柔らかなチューブを挿入し、鼻腔の局所麻酔を行います。これによって、内視鏡が通過するときの痛みが抑えられます。局所麻酔なので、眠くなったりすることはありません。この後、内視鏡が鼻から挿入され、鼻腔、喉、食道、胃、十二指腸と順次観察がなされ、通常数分以内に終了します。
 がんや潰瘍など、食道や胃、十二指腸などの疾患は、早期発見・早期治療が完治への近道です。「検査が怖い」「以前すごくきつかった」など経口内視鏡を苦手とするあまりに受診が遅れ、症状が進行していることもあります。経鼻内視鏡は患者さんの体への負担が少ないので、内視鏡検査をちゅうちょしている人は1日も早く医師に相談してほしいと思います。