2013年11月13日水曜日

心房細動


ゲスト/大野病院附属 はまや循環器クリニック 浜谷 秀宏 院長

心房細動とはどのような病気ですか。 
 心臓は心房と心室と呼ばれる部分から成り立ちます。正常な心拍は、まず心房が収縮し、それに引き続いて心室が収縮するということを繰り返しています。心房細動は心房が規則正しい収縮をせず、不規則に細かく震えるような状態になり、それに続く心室の収縮も早くなったり、遅くなったり不規則になる病気です。
 もともと心臓の働きが低下している人以外、心房細動自体では急に心臓が停止するなど生死に関わるということはめったにありません。ただし、やっかいなのは、心房の中に血の塊ができて、まれにそれが血流に乗って血管を流れ、体のどこかの血管に詰まってしまうケース(血栓塞栓症)があることです。もし脳の血管に詰まれば脳梗塞になってしまいます。心房細動の発症率は年齢とともに増加し、現在、日本での患者数は80万人以上いると推定されています。

心房細動の治療について教えてください。
 抗不整脈薬(不整脈を抑える薬)が有効なケースもありますが、多くの場合は再発する可能性が高いため、現在のところ心房細動自体を抑える治療よりも、血栓塞栓症を予防する治療を優先するのが、より重要で現実的と考えられています。
 血栓塞栓症の予防を目的として処方されるのが、抗凝固剤という血液が固まる(凝固)のを抑える薬です。昔から広く使われ、その有効性が実証されています。常に心房細動のある人、また時々心房細動になるという人にも有効です。
 抗凝固剤は効果の高い薬ですが、服用の際は注意すべき点がいくつかあります。定期的に血液検査を行って効き目を測り、服用量を適宜調整しなければなりません。また、服用中は納豆や青汁などビタミンKを含む食品の摂取を避ける必要があります。抗凝固剤と併用してはいけない薬も多く存在します。最近は、食品やほかの薬の影響を受けない新しい抗凝固薬も登場し、比較的年齢の若い、腎臓の働きが悪くない人を中心に使われるようになってきました。また、カテーテルという細い管を脚の付け根などの血管から挿入し、心房内の特定の部位を焼くことによって心房細動の発生を抑えるカテーテルアブレーションという治療方法もあり、近年は治療成績も向上しています。