2013年3月21日木曜日

歯科治療とアンチエイジング


ゲスト/E-line矯正歯科 上野 拓郎 院長

歯科治療におけるアンチエイジングとはどういったものですか。
 近年、アンチエイジング(抗加齢)という言葉をよく耳にするようになりました。化粧品や健康食品などに目立ちますが、単に「アンチエイジング=美容」ではありません。いつまでも若さと健康を保ちながら、生き生きと年齢を重ねていくという考え方を表しています。加齢による疾患を予防・治療するアンチエイジング医学という新しい分野の医療も普及しつつあります。
 現在、医療の最前線では口腔(こうくう)と全身の関係が重要視されていますが、それはアンチエイジングの観点からも同じように考えられます。口の健康が失われると、食事や会話など日常生活に支障を来たし、老化のスピードが早まるといわれています。例えば、しっかりかめないと、食べ物をおいしく味わうことができなくなり、食生活の質が低下します。また、口臭が気になったりして、対人関係に自信を持てなくなることもあります。
 厚生労働省と日本医師会では、80歳で自分の歯を20本保つことを目標にした「8020運動」というキャンペーンを展開しています。アンチエイジングに基づく歯科治療は、それをさらに一歩押し進めて、歯を含む口腔全体の若返りを図り、積極的に老化防止を実践しようというものです。

かみ合わせが悪いと口や体にどのような影響がありますか。
 かみ合わせが口腔の老化、全身の老化に与える影響は大きいです。かみ合わせの悪い状態が続くと、顔の特定の筋肉が疲労し、顔のゆがみや表情の不自然さ、口元のしわやたるみにつながります。首の筋肉や頭を支えるさまざまな筋肉にも負担がかかるので、肩こりや腰痛、耳鳴り、片頭痛といった、一見歯とは関係のなさそうな症状を引き起こす場合もあります。また、かみ合わせが乱れていると、歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。さらに、よくかめなくなると、食べ物の消化を助ける唾液の分泌量が減るため、胃腸にも大きな負担をかけることになります。
 見た目の美しさだけではなく、機能の回復を目指すのが矯正治療です。「今からでは遅いのでは?」とおっしゃる方も多いですが、治療を始めるのに遅すぎることはありません。以前にも増して、成人の方やご年配の方が矯正を始められるケースが増えています。まずは専門医に気軽に相談してみてください。