2012年9月19日水曜日

緑内障診断の大きな進歩


ゲスト/ふじた眼科クリニック 藤田 南都也 院長

緑内障とはどのような病気ですか。
 緑内障とは、眼圧の上昇などにより網膜が圧迫され、視野が狭くなる病気です。40歳以上の日本人の20人に1人が緑内障だと分かっています。原因は遺伝的な要因が大きく、加齢とともに症状が出てきます。血縁関係者に緑内障患者がいる人は特に注意が必要です。
 現在の医療技術では緑内障によって一度失われた視界を戻すことはできません。そのため、治療は視野の減少を抑えることが目的となります。点眼薬で眼圧をコントロールし、進行を抑えていきます。以前は内服薬や手術が必要になる場合もありましたが、効果の高い点眼薬の出現により、最近は少なくなっています。
 緑内障は目の痛みや充血などの自覚症状がなく進行することが多く、末期の状態になるまで、視野が狭くなるなどの症状を自覚しません。そのため、患者さん自身が病気であることに気付かず、最悪の場合、失明に至る恐れがあります。そうならないためにも、定期的に検査を行い、早期発見・治療を開始することが何よりも大切です。

緑内障の診断方法について教えてください。
 従来の緑内障の診断は、視野検査のほか、眼底の視神経乳頭のへこみや網膜の微妙な色調の変化を診察して進行の程度を判断していました。しかし、近年はOCT(光干渉断層計)という検査機器を使い、瞳を広げずに網膜の厚さを測定し、緑内障の有無やその進行を調べるのが一般的になりつつあります。
 OCT検査は、網膜のわずかな変化さえ検出できる精度の高い検査です。従来の検査では確認できなかった、視野異常が出現あるいは進行する前の初期の緑内障の診断を下すことができ、より早期の治療を開始できます。また、緑内障と強度近視や脳梗塞、先天性の眼底疾患などの視野異常を来す病気を合併した場合、視野異常のどれくらいの割合が緑内障によるものかを従来よりも正確に区別できます。そのため、不必要と思われた点眼治療を中止したり、逆に今後の悪化防止のための点眼治療を的確に開始したりするなど、診断・治療方針の決定や、治療の効果判定に非常に有用です。
 OCT検査は、放射線を使用しないため安全で、短時間で終了し、痛みもありません。また、1回の検査にかかる費用も安いので、40歳を過ぎたら一度は受診されることをお勧めします。