2008年11月12日水曜日

「前立腺肥大症の治療の経済性」について

ゲスト/ベテル泌尿器科クリニック 三熊 直人 医師

前立腺肥大症と治療について教えてください。

 立腺肥大症は高齢男性でよくみられる前立腺の良性腫瘍(しゅよう)で、加齢とともに増加します。初期の自覚症状はおしっこが近い、夜中何回もおしっこに起きるなどの頻尿です。肥大が進んでくると尿道が圧迫されて、尿の勢いが悪くなります。寒くなる秋から冬にかけて、症状が出始めたり悪化したりすることも珍しくありません。
 症状が軽度であれば投薬による治療を行います。現在はα遮断薬が第一選択薬です。頻尿が強い場合には、抗コリン作用を持つ治療薬を併用します。しかし、前立腺重量が35gを超えるようになると、薬によっては十分な症状の改善が得られず、外科的治療を考慮する必要があります。

外科的療法と経済性について教えてください。

 外科療法としては、経尿道的前立腺切除術(TURP)、温熱療法、尿道拡張法、尿道ステント、レーザー療法などがあります。よく行われるものは、TURPとレーザー療法です。TURPは、内視鏡を尿道に挿入して電気メスで前立腺を削り取る方法で、術中術後の出血があり、2週間程度の入院期間が必要です。また、後年再発の可能性もあります。
レーザー治療の中でも、最近特に注目されているのが、ホルミウムレーザーによる経尿道的前立腺核出術(HoLEP:ホーレップ)です。ホーレップでは尿道内から前立腺の肥大した部分のみをくり抜くように切除するので、再発のリスクも低下します。また、この方法では出血が少なく回復が早いため、入院期間も短縮できます。
 手術という言葉を聞いただけで尻込みしてしまう方が少なくありません。しかし、病状によっては、早期に手術をしたほうが、身体的にも経済的にも負担が少なくなる場合があります。自分にとって、どのような治療が最善であるのか、主治医とよく相談されることをお勧めします。