2008年8月13日水曜日

「顔面の痛み」について

ゲスト/札幌一条クリニック 後藤 康之 医師

顔面の痛みについて教えてください。

顔面痛を訴えて来院する人は、頭痛に比べると少ないのですが、耳鼻科、眼科、脳神経外科、歯科・口腔外科、神経内科、形成外科など各科にまたがる症状であり、また原因や痛みの複雑さは頭痛に比べてはるかに大きいといえます。
代表的なものとして、三叉(さんさ)神経痛があります。三叉神経は顔面や口の中の感覚をつかさどる神経で、脳から出てすぐに3本に分かれるので三叉神経という名前が付いています。三叉神経痛は、多くの場合は原因となる疾患がはっきりしない突発性の痛みであることが多く、片側でおこることがほとんどです。起床して間もなく痛みが生じ、歯みがき、洗顔、化粧、食事、会話など、日常生活に支障を来たすことも珍しくありません。痛みは鋭く、短い時間続き、何度か繰り返します。
治療法としては、神経ブロックをまず行います。感じた痛みを脳へ伝える神経の周囲に薬を注射して、痛みの伝達を遮断(ブロック)する方法です。また、脳の中で神経と血管がぶつかっていることもあり、このような場合は外科手術によって治療することもあります。投薬治療としては、抗てんかん薬が効果的な場合も多いのです。
続発性の顔面痛としては、脳腫瘍(しゅよう)や多発性硬化症、帯状疱疹(たいじょうほうしん)などがあります。三叉神経痛を疑うときは、必要な検査(MRI、CTなど)を行い、このような疾患ではないかを確かめます。

ほかに顔面痛の疾患はありますか。

三叉神経痛のように痛む部位や痛みの性質がはっきりしないものに、持続性突発性顔面痛があります。さまざまな疾患と原因を除外し、残った顔面痛で、原因が不明とされているものです。以前は非定型顔面痛という病名でした。症状としては、顔面を主体として鈍痛あるいは圧迫感がある痛みです。治療は、一般的に星状神経節ブロックを行います。通常の鎮痛剤は無効であることが多く、抗不安薬や抗うつ剤が効果を表すことが多いようです。
顔面の痛みは患者さんの負担が大きく、すっきりと改善しなかったり、繰り返すことが多いのですが、根気強く治療する必要があります。