2008年1月23日水曜日

「前立腺がん」について

スト/芸術の森泌尿器科 斉藤 誠一 医師

前立腺がんについて教えてください。

前立腺がんは欧米に多い病気とされてきましたが、最近では食生活が欧米化したことと高齢化社会になったことから、日本でも急激に増加しています。アメリカでは男性のかかるがんで一番多く、6人に1人が前立腺がんになっているといわれています。この病気を撲滅するために、国をあげて取り組んだ結果、アメリカでの前立腺がんによる死亡は3分の1減少しました。このようにアメリカで前立腺がんの死亡率が大きく減少した理由のひとつに、PSA(前立腺特異抗原)という血液検査により早期がんを発見し、早期治療が行われたことが挙げられます。同様にオーストリアのチロル地方では住民検診にPSA検査を取り入れ、死亡率が大きく減少しました。
特に最近はPSA検査での正常値を従来の4.0から2.5に下げて、より早期にがんを発見し、早期治療を行おうという報告があります。今まで正常とされてきた2.5から4.0の間でも25%の人にがんが検出されます。その中で従来の正常値とされていた4.0の人に、かなりがんの進行が見られる例が30%以上存在しました。

治療法について教えてください。

治療は手術、放射線、薬、経過観察と多岐にわたっています。診断と治療が確立して死亡率が下がることは朗報ですが、日ごろから前立腺がんにならないように予防することも大切な要素です。前立腺がんを予防するためには、脂肪を控え、大豆、トマト、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や緑茶を多く取ることがよいとされています。このような食生活を送っている地域では、実際に前立腺がんの発生は少ないのです。
しかし現在の日本の食生活では、今後前立腺がんの増加は明らかです。40歳を過ぎたら、1年に1度はPSA検査を受けましょう。特に身内で前立腺がんになった人がいる方は要注意です。早期発見、早期治療を行えば、前立腺がんは恐い病気ではありません。専門医を受診し、積極的に検査を受けることをお勧めします。