2007年12月19日水曜日

「原発閉塞隅角(へいそくぐうかく)緑内障」について

ゲスト/札幌エルプラザ阿部眼科 阿部 法夫 医師

原発閉塞隅角緑内障について教えてください。

眼内で、角膜と水晶体の間を循環する房水は虹彩(茶目の部分)の前後で前房、後房に分かれます。加齢によって水晶体の硬化、肥厚が起こり、後房から前房への房水の流れが悪くなり、後房の圧が高まります。この圧力差が周辺部虹彩を房水の排出口のある隅角へ押し付け閉塞し、閉塞隅角を起こさせます。さらに高い眼圧が視神経の乳頭部を圧迫して視神経が委縮したり血流障害を起こし視野障害に至ります。隅角が不完全にふさがれると原発閉塞隅角緑内障の慢性型、隅角が完全にふさがると急性型となります。
緑内障は、視覚系の身体障害者手帳発行者数の第1位になっています。その中でも有病率0.6%、緑内障全体で10%を占めるのが原発閉塞隅角緑内障(以前は狭隅角緑内障とも呼ばれた)です。発症頻度は低いのですが、女性に比較的多い急性の失明眼疾患として昔から恐れられてきました。

症状、診断、治療方法について教えてください。

原発閉塞隅角緑内障は無症状の場合が多いのですが、眼のかすみ、充血や痛み、頭重感などを繰り返している人もいます。急性型発作時の自覚症状としては、視力低下、霧視、虹視症、眼痛、頭痛、悪心、嘔吐(おうと)などです。患者さんが、脳神経や胃腸の病変を疑い内科や脳神経外科を受診することがあり、これが眼科受診を遅らせることもあります。できる限り早期に治療を開始することが肝心です。
 発症は女性に多く、比較的視力のよい遠視の人が罹患(りかん)しやすいようです。また、暗所に長く居て急に瞳が開くと発作が起こりやすくなります。読書やうつ向きの作業、多量の飲水、透析後、睡眠や手術など長時間のうつぶせ姿勢後も、発作に注意が必要です。眼科検査薬である散瞳薬の点眼や、鎮痛剤、睡眠薬の中の狭隅角緑内障禁忌薬の記載があるものの使用後も、注意を払いましょう。ただし、薬だけで発作を起こした例はごくまれです。薬剤師や医師のアドバイスを受けてください。
 治療としては発作を予防するような点眼薬、レーザー、手術があります。隅角が閉塞か開放かは、一般の眼底カメラや、眼圧検査ではまったく検出できず、眼科専門医での精密検査が必要となります。