2007年10月3日水曜日

「子どもの中耳炎」について

ゲスト/かしわむら耳鼻咽喉科 柏村 正明 医師

子どもの中耳炎について教えてください。

 中耳炎には、急性中耳炎と滲出(しんしゅつ)性中耳炎の2種類があります。乳幼児から小学校低学年くらいまでの子どもが、風邪をひいたときにかかりやすいのが急性中耳炎で、細菌が鼻から耳管を通って、中耳に入ることによって発症します。膿(うみ)が中耳にたまった状態になり、痛みや発熱の原因になります。鼓膜が破れて膿が自然に出てくることもあります。治療は基本的に鎮痛剤、必要に応じて抗生物質の内服、あるいは点耳薬を使用します。発熱や痛みが強い場合は、鼓膜切開で膿を出すこともあります。
 多くは1週間程度の治療で治りますが、お子さんによっては一度治った後に何度も繰り返し発症することもあります。また、最近では抗生物質の効かない耐性菌による、治りにくい中耳炎も増えてきました。抗生物質の使用は、適切な処方で必要かつ最小限にとどめておくのが良いでしょう。ただし、自己判断で抗生物質を途中でやめてしまうと細菌が死滅せず、さらに強くなって耐性化してしまうので、処方された用法・用量はきちんと守るようにしてください。

滲出性中耳炎について教えてください。

 滲出性中耳炎は、中耳に水がたまった状態の中耳炎です。この水はプールやお風呂など外部から入ったものではありません。急性中耳炎後に、炎症でたまった水が残っている、中耳の気圧が低くなり中耳の壁から水がにじみ出ている、という2つの原因が考えられます。通常、中耳は鼻を経由して入った空気で満たされ鼓膜がピンと張ることによって音を伝えます。中耳に水がたまると鼓膜に振動が伝わりにくくなり、聞こえづらくなります。子どもが風邪をひいた後に聞き返すことが多くなったり、テレビの音量を上げたりするようなら、滲出性中耳炎を発症している可能性があります。治療としては、内服薬と鼻の管理が重要で、治りが悪いときには鼓膜切開を行うことがあります。何度も水がたまるようなら、鼓膜に小さなチューブを留置して治療するお子さんもいらっしゃいます。
 いずれの中耳炎も、最後まで治療しないと成人になっても難聴など、さまざまな症状に悩まされる可能性があります。なるべく風邪をひかない、鼻づまりがあったらすぐ耳鼻咽喉科へ行くことが中耳炎予防には大切です。