2007年8月1日水曜日

「COPD(慢性閉塞(へいそく)性肺疾患)」について

ゲスト/大道内科呼吸器科クリニック 大道光秀 医師

COPDについて教えてください。

 COPD(シー・オー・ピー・ディー)は、日本語で「慢性閉塞性肺疾患」と訳されます。その特徴は気道の空気の流れが慢性的に悪くなり、咳(せき)や痰(たん)、労作時の息切れが出てきて、最後は呼吸困難になる病気です。以前は肺気腫(しゅ)や慢性気管支炎として診断されていましたが、そのような病気になってしまう過程や終末像として、COPDという病名が普及してきました。また、COPDは全身病であり、動脈硬化や糖尿病などのように、肺の生活習慣病とも言えます。初期には咳(せき)や痰(たん)、坂道や急いだ時の息切れといったありふれた症状で、気付かないうちにゆっくりと病状が進行し、病院で受診した時にはかなり悪化しているというケースが多いのです。
 病変は肺胞と気道に起こります。肺胞を仕切る壁・肺胞壁が壊れ、肺胞壁の破壊とともに血管も壊れてしまい、ガス交換の効率が悪くなります。肺の弾性力が減るので、呼気の時に気管支を広げる力が減り、空気の流れが悪くなります。一方、気道では炎症を繰り返すことで過剰に粘液が分泌され、気管支の粘膜も厚くなり、気道を狭くし空気の流れを悪化させます。

COPDの患者が増えてきたのはなぜですか。

 主な原因は喫煙や大気汚染ですが、日本では石炭の燃焼などによる大気汚染が減っていますので、喫煙によるものがほとんどです。特に北海道は喫煙率が高く、中でも女性の喫煙者が多いため、女性患者が増加しています。男性よりも女性の方がタバコの害を受けやすいという側面も影響しています。
 COPD患者は中高年に多いため、階段の昇降などで息苦しさを感じても、「年齢のせい」と思い込み、受診が遅れがちになります。初期であれば禁煙や投薬での治療が可能ですが、症状が進めば在宅酸素療法が必要になり、入退院を繰り返すなど、日常生活にも影響が大きくなります。また、肺炎や心不全などの合併症で命にかかわることもあります。
 咳や痰、労作時の息苦しさなどを感じたら、肺の機能検査を受けてください。早期に発見し治療することが重要です。予防法は、何といっても禁煙です。最近では病院でも積極的にサポートしていますから、禁煙に失敗した人は、一度相談してみることをお勧めします。