2005年11月16日水曜日

「咳喘息(せきぜんそく)」について

ゲスト/琴似駅前内科クリニック 高柳 典弘 医師

風邪の後、いつまでも咳が続くことがありますが。

 咳の持続期間により、発症から3週間を「急性咳嗽(がいそう)」、3~8週間を「遷延性咳嗽」、8週間以上続き場合を「慢性咳嗽」といいます。近年特に、慢性咳嗽の罹患(りかん)者が増加しています。慢性咳嗽の3大原因として、咳喘息、アトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群があげられますが、そのうち、もっとも頻度の高い咳喘息について説明します。
 咳喘息は8週間以上の空咳が続きますが、実際には8週間以前に医療機関を受診することが多いため、咳の症状を訴えるすべての人に対して、咳喘息を念頭においた診療が必要です。咳喘息は、気管支喘息のようにゼイゼイしたり、呼吸が苦しくなることはなく、胸部レントゲンを撮っても、原因となるような異常所見は認められません。
 咳喘息は、アレルギーの関与によって気管支が過敏になり、温度の変化や話をするだけで、咳が出やすい状態になります。また、夜間から早朝にかけて悪化することが多く、秋に多く見られるなど季節性を示す場合もあります。痰(たん)はないか、あっても少量で、風邪などのウイルス感染後、寒冷刺激、運動、喫煙などが症状を悪化させることがあります。

診断と治療法方について教えてください。

 気道の過敏性を調べる検査が診断の参考になりますが、専門的施設以外では施行しにくいことから、通常診療において咳喘息を疑う場合、治療に有効な気管支拡張剤を試験的に使用し、咳の改善傾向が見られれば、咳喘息と診断して差し支えないと考えられています。
 治療は、先に述べた気管支拡張剤が有効ですが、これのみで症状が完全に消失する例は少なく、また、咳喘息の約30%の患者が数年のうちに気管支喘息に移行することが知られています。そのため、気管支喘息への移行を予防するためにも吸入ステロイドを早期に使用することが一般的です。また、咳が完全に消失してからも長期的に経過観察をすることが肝心です。
 風邪をひいた後に咳だけ長く続く場合や病院で「風邪」と診断されて薬を飲み続けても咳だけとれない場合は、専門医を訪ねることをおすすめします。