2005年6月1日水曜日

「肌と漢方」について

ゲスト/宮の森スキンケア診療室 上林 淑人 医師

漢方治療について教えてください。

 西洋医学では、「発熱したら解熱剤」「細菌感染には抗生物質」といったように、対症療法が基本になります。東洋医学は、体全体の中でバランスの崩れから生じるゆがみを症状としてとらえ、これを補正することによって治療していこうという考え方です。東洋医学の中心の一つが漢方薬を用いた漢方治療です。漢方薬は主に薬草の茎や根、葉などから得られる生薬を組み合わせたものです。漢方治療では、症状に対してだけではなく、個々人の体格や体質などを総合的に見て、その人に合った薬を処方します。言い換えれば「一人一人に合わせたオーダーメードの医療」といえるでしょう。例えば、体力があり赤ら顔で精力的な人のニキビと、冷え性で疲れやすく虚弱な人のニキビでは、同じニキビでも発症にいたる経緯や原因が違います。そこで、それぞれの体格や体質などを考慮して、その人に合った漢方薬が処方されるのです。

肌のトラブルに漢方薬は有効ですか。

 漢方治療ですべての肌トラブルが解消されるというものではありません。西洋医学と東洋医学の良い所を両方取り入れて肌のトラブルに役立てるのが基本です。症状によっては効果が速やかに現れることも多くありますが、多少時間をかけてじっくりと症状を改善していくこともあります。また、経過を見ながら処方を変えていくこともあります。
 比較的漢方治療が適応しやすいのは、ニキビ、蕁麻疹(じんましん)、アトピー性皮膚炎などです。特に女性の場合は、肌のトラブルだけでなく、生理不順や冷え性、便秘など漢方薬が比較的効きやすい症状で悩まされている場合が多く、漢方治療が効果的なようです。漢方薬を処方する際は、詳しい問診や脈診、舌診、腹診など、一見無関係と思われることまで細かく診て、処方内容を決定します。
 漢方薬は副作用も少なく体への負担も軽いといわれています。またほとんどの漢方薬は健康保険が適用になっています。