2003年11月5日水曜日

「スポーツ障害」について

ゲスト/山口整形外科クリニック 山口秀夫 医学博士

スポーツ障害について教えてください。

 スポーツ障害には大きく分けて2種類あります。1つは競技中に発生するケガで、捻挫(ねんざ)と突き指がその代表です。捻挫とは、骨と骨をつなぐ靭帯(じんたい)というヒモ状の組織が損傷を受けることをいい、少し伸びた程度から断裂まで程度はさまざまです。断裂を放置すると靭帯が完全に伸びてしまい、その後少しの衝撃で捻挫を繰り返す危険があります。また、指の第1関節が伸びなくなる突き指は、指を伸ばす腱(けん)が切れている場合と、腱の付着部分が骨折している場合があり、骨折には手術が必要です。いずれも放置したままでは治らないので、早期に正しい治療を受けることが大切です。もう1つは、トレーニング過多によるスポーツ障害。野球少年のひじや、ジョギング愛好者のひざの障害がその典型です。骨の強度が十分でない少年期に過度の投球練習をすると、ひじの骨が欠けたり、ひじが十分に伸びなくなることがあります。最近では、甲子園大会に出場した選手のその後の活躍が少ない原因の一つとも考えられ、出場選手のひじの検診が各地で実施されるようになりました。ジョギング愛好者のひざの痛みは、ひざを曲げる筋肉の腱が骨と何度もこすれ合い、炎症を起こすのが原因です。痛みを軽くするために、できるだけアスファルトではなく土の上を走るようにしてください。シューズの裏を見て、片側だけが擦り減っている場合は、フォームが悪いことも考えられます。健康のためにスポーツをするの

スポーツ障害に専門医はいますか。

 スポーツ障害の治療や、競技能力の向上を科学的にサポートする「スポーツドクター」です。各種競技会のメディカルスタッフ、選手へトレーニング指導をするプロチームの専任ドクター、学校やスポーツクラブでのトレーニング指導・講演など活躍の場は多岐にわたります。スポーツ中に異常を感じたら、早めにスポーツドクターのアドバイスを受けることをお勧めします。

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