2020年4月1日水曜日

手足のしびれ

ゲスト/西さっぽろ脳神経外科クリニック 笹森 孝道 院長

手足のしびれについて教えてください。
 脳神経外科の外来で頻度の多い症状に手足のしびれがあります。医療機関や専門医を受診するべきかどうかですが、しびれが長く続く場合や、しびれが段々と強くなるようであれば受診した方がよいでしょう。また、急にしびれが起こって、それが持続する場合は、脳や脊髄の病気が考えられるので、早急に受診する必要があります。
 脳の病気によるしびれには、脳梗塞などの脳血管疾患があります。急にしびれが起こって、その後しびれが持続するのが特徴です。片側の手と口周囲のしびれが同時に起こる場合があります。これは「手口症候群」と呼ばれ、脳の中の視床という部位の病気で起こります。脳梗塞の好発部位でもあるので、手口症候群がみられたら、手足のまひやろれつが回らないなどの症状がなくても、すぐに脳神経外科を受診してください。

手足のしびれは、ほかにどんな原因が考えられますか。
 頚椎症や椎間板ヘルニアなどによる、頸髄性のしびれが考えられます。この場合には、しびれの部位が脊髄神経の分布に重なることが多いため、診察により障害部位を推定することができます。しびれだけにとどまらず、筋力の低下などがみられるようになると、手術による治療が必要なケースもあります。
 頚椎病変に対しては、従来のレントゲン撮影に加えてCTやMRIなどによる画像検査で、椎間板の変形や神経の圧迫などが、より正確に診断できるようになってきました。
 下肢のしびれの原因としては、腰椎疾患や下肢の閉塞性動脈硬化症なども考えられます。閉塞性動脈硬化症では、歩行時にしびれや痛みが起こり、しばらく休むと軽快します。これを「間欠性破行(はこう)」といいます。血管の動脈硬化による病気なので、症状が進行、悪化すると血管外科での治療が必要になります。腰部脊柱管狭窄症も間欠性破行を症状とする病気ですが、立っている姿勢が辛く、前かがみになったりしゃがんだりすると症状が楽になるという特徴があります。
 頚椎、腰椎などが原因で起こる慢性的なしびれや疼痛に対しては、安静、薬物療法、ブロック注射、マッサージなどの保存的治療を行うのが一般的ですが、症状が悪化してくるようであれば手術治療が必要なケースもあります。治療に関しては、かかりつけの病院、先生と相談されることをお勧めします。