2012年5月9日水曜日

更年期障害について


ゲスト/札幌駅前アップルレディースクリニック 工藤 正史 院長


更年期障害とはどのような病気ですか。
 30代後半〜40代前半になると、卵巣機能が徐々に低下し始め、50歳前後に「閉経(1年以上の無月経の状態)」を迎えます。閉経年齢が早いか遅いかは個人差があります。閉経をはさんだ前後10年を「更年期」といい、女性ホルモンの分泌量が急激に減少するために、月経異常やのぼせ、火照り、目まい、疲労感、不眠、憂うつ感など、さまざまな症状が出ます。この中で日常に差し支えるようなものを「更年期障害」といいます。
 更年期の女性は骨粗鬆(しょう)症にもかかりやすいとされます。骨粗鬆症による骨折は、脳血管障害に次いで高齢者が寝たきり状態になる原因の第2位となっているので注意が必要です。また、閉経後のコレステロールの上昇が原因で、血管の老化が進み、狭心症や心筋梗塞、脳の血行障害を起こすケースもみられます。
 20〜30代といった若い年代の女性が、一見更年期障害と同じような症状を発症することがありますが、これは真の更年期障害とはいえず、多くの場合ストレッサーが隠されています。ストレッサーとはストレスを与える刺激のことです。


更年期障害の検査・治療について教えてください。
 更年期障害は、身体的要因だけでなく、対人関係、家族の問題などの社会的・環境的要因が複雑に絡み合って起こるとされているので、検査は問診が重要となります。血中のホルモン量を調べるための血液検査や超音波検査なども行います。
 治療は、漢方薬と女性ホルモンを補充する薬物療法が基本となります。加齢とともに減少した女性ホルモンを補い、不足することにより現れる症状を軽減するのがホルモンの補充療法です。閉経以降に起こりやすくなる生活習慣病や骨粗鬆症、予防医学としてのアンチエイジングへの効果も期待されています。
 閉経は女性のライフサイクルの中で必ず起こるイベントであり、更年期は避けては通れない大事な時期です。更年期障害とどう向き合い、改善していくか。まずは一人一人が更年期医学についての正しい知識や情報を身に付ける必要があります。例えば、女性ホルモンの補充療法をどう捉えるかは、その人の考え方や人生観にもよりますが、自分でもしっかり勉強し、ある程度理解した上で、専門医に問い掛けていく姿勢も大切です。