2012年2月15日水曜日

関節リウマチの診断と治療

ゲスト/北海道内科リウマチ科病院 清水 昌人 副院長

関節リウマチとはどのような病気ですか。
 関節リウマチは原因不明の自己免疫性疾患の一つです。細菌やウイルスから自分を守るべき白血球(リンパ球)が、自分の関節を攻撃し関節に炎症を引き起こします。全ての関節が侵される可能性がありますが、比較的小さな関節に起こることが多いのが特徴で、関節炎が長く続くと関節の軟骨や骨が破壊され、関節が変形を起こすようになり、日常生活に支障を来します。また、炎症が強い場合には全身症状として微熱、倦怠(けんたい)感を来し、さらに関節外症状として間質性肺炎、胸水などの肺病変や血管炎(下腿(かたい)潰瘍やしびれなど)などを合併することもある全身性疾患です。

関節リウマチの診断と治療について教えてください。
 2010年に関節リウマチの分類基準が改定されました。新しい基準はより早期に関節リウマチの診断を確定し、早期治療による患者さんの予後改善に寄与しています。関節リウマチの診断は、専門医による問診、診察、検査などから判断しますが、血液検査やレントゲン検査のほか、最近では関節エコーや関節MRI(磁気共鳴画像装置)による検査が有用と考えられています。通常の検査では検出できない炎症を発見できる関節エコーや関節MRIは、早期診断に利用するだけでなく、より正確に病状を評価しそれに基づいて治療を強化することで、患者さんの予後を改善することも期待できます。
 治療の中心は薬物療法で、関節の炎症を抑え、関節破壊の進行を防ぐことが目標です。抗リウマチ薬の投与を開始し改善に乏しければ、痛みだけでなく、関節破壊の進行も抑制できる生物学的製剤(現在6種類)の導入を検討します。生物学的製剤は、患者さんの約80%に効果があり、効果発現が早いという特徴があります。また、抗リウマチ薬の中心として使われてきたメトトレキサートが昨年2月より最大8錠まで増量可能となり、これまで効果が不十分であった患者さんに対し増量により効果が得られるようになりました。
 関節リウマチは全身の病気なので、薬物治療のみでなく、一般内科、整形外科、リハビリ科など診療科を超えた医療連携、チーム医療が重要となります。手首、足趾(そくし)、特に手指の関節に原因不明の痛みや腫れのある方は、関節リウマチの疑いがありますので、一度専門医を受診されることをお勧めします。