2009年10月14日水曜日

「40歳からの眼病予防」について

ゲスト/阿部眼科 阿部法夫 医師 

40歳以降注意すべき目の病気について教えてください。 
 40歳は人生の折り返し点です。健康に恵まれ、体力に自信のある方も、遅かれ早かれ、ふと体力の衰えを感ずることはあるものです。目にも中高年になったら気を付けなければならない病気があります。まず、40歳を過ぎると20人に1人は何らかの緑内障の病態にあるといわれています。緑内障は進行すると視神経の機能を回復する治療が確立されていないため、視野欠損が軽いうちに眼圧下降のための治療が必要です。また糖尿病、高血圧症、メタボリックシンドロームなども放置すると眼底出血の原因となります。
 軽いものは点状、糸状、墨状のものが見える、飛蚊(ひぶん)症の症状が突然現れます。さらに 2〜3個以上の飛蚊症は、網膜剥離(はくり)裂孔の前兆の場合もあり、早期レーザー治療が功を奏します。50歳前後になると加齢黄班変性があります。以前は不治の疾患とされ、経過を見るしかなかったのですが、蛍光・ ICG眼底撮影やOCTなどの新しい検査法ができたこと、光線力学療法、新しい薬物療法などがあり、この分野のスペシャリストによって治療が可能になりました。いずれも最近は増加傾向にあり、予後については楽観はできません。60歳近くなると、水晶体が濁る白内障があります。手術の進歩により予後は良好です。
 そのほか遠視・老視、涙の減少によるドライアイ、逆に増える流涙症、眼瞼(がんけん)下垂なども眼性疲労の原因となります。 

早期発見、早期治療にはどのような注意が必要ですか。
 眼科学の進歩により早期発見・早期治療で進行を遅らせ、失明を防ぐことができます。職場の健康診断で眼底検査、眼圧検査を受けていればいずれも早期発見が可能な疾患です。たとえ眼検診の機会に恵まれない方でも、何らかの目の不調があるとき、眼鏡・コンタクトレンズ作成時などに眼科の検査も同時に受けると早期発見の可能性があります。
 また、不安のある方は、積極的に健診を受けましょう。物がゆがんで見える、夜、車のライトがまぶしい、夕方、以前より暗く感じる、日差しがまぶしい、目が疲れやすい、飛蚊症、閃光(せんこう)が走ることが増えたなどの症状があるときは、年齢のせいと考えず、早めの眼科受診をお薦めします。

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