2009年5月20日水曜日

「外科矯正」について

ゲスト/つちだ矯正歯科クリニック 土田 康人 歯科医師

外科手術による矯正治療について教えてください。

 反対咬(こう)合、上顎(がく)前突、上下の歯が咬(か)み合っていない開咬、顔や顎(あご)が曲がった状態の顎偏位など、顎変形症の症状がひどく、矯正治療のみでは治しきれない場合、外科手術によって治療する方法があります。顎を手術しただけではきれいに咬み合わないので、手術前後に矯正治療を行います。
 矯正専門医と口腔(こうくう)外科が協力し、手術前の治療に約1年、手術後約1年、固定に約1年、合わせて3年ほどの治療期間が必要です。年齢的には、高校生以降の骨が成長し終わった状態で行います。成人してからの治療も可能なので、年齢にかかわらず、まずは専門医の診察を受けてください。見た目を第一に考える美容整形と、咬み合わせを根本的に治療する外科矯正とは異なるため、機能面での配慮が二の次になってしまう場合も見受けられます。

入院期間や費用などが心配ですが。

手術は口の中から行うので、傷あとが顔に残ることはありません。入院期間はだいたい2週間程度です。かつて、このような治療は高度先進医療機関に指定されている大学病院などでのみ許可されていました。しかし、現在は都道府県指定の更生医療機関などの矯正専門医なら、口腔外科と協力して行えるようになりました。
一般の矯正治療は保険診療の対象外ですが、外科治療を伴う場合はすべて保険診療対象となります。著しく咬み合わせがずれているまま放っておくと、発音や咀嚼(そしゃく)、顎関節症など機能面で問題が生じます。また、審美的な面からも悩まれることが多いのも実状です。外科矯正の目的は、あくまで咬み合わせを正常にすることですが、付随して横顔や表情にも健康的な変化が現れることがあります。また、外科治療せずに顎の変形を治したい場合は、永久歯が生えてくる小学校1、2年生のうちに、矯正治療を始めることをお勧めします。ただし、状態によっては成長後の外科手術が必要になることもあります。