2009年5月13日水曜日

「めまい」について

ゲスト/西さっぽろ脳神経外科クリニック 笹森 孝道 医師

めまいについて教えてください。

 脳神経外科の外来では、めまいを訴えて受診される患者さんが多くいらっしゃいます。初めて経験するめまいは、本人にとって非常に恐ろしいものですが、多くは何の後遺症もなく治ってしまう心配のないめまいです。頻度が高いものは内耳障害によるめまいですが、脳の障害で起こる怖いめまいとの鑑別が重要です。症状の強さだけでは、判断できません。言葉のもつれや、手足の脱力、しびれなどが同時に出現しているようなら、脳の障害が疑われますが、中には非常に鑑別の難しいめまいもあります。脳の障害によるめまいには極力早く診断し、治療に入る必要がありますが、その際にはMRIによる診断が有用です。

めまいの診察について教えてください。

内耳という部分は耳の奥の方にあり、音を聞く働きのほかに、体のバランスをとる働きがあります。このため、内耳に障害があるとめまいが起こります。障害といっても多くは一過性のものですが、繰り返すめまいや耳鳴り、聞こえにくさを感じるような場合には、耳鼻科での検査が必要となることもあります。
内耳は脳幹や小脳と呼ばれる脳の部分とつながっており、脳側の障害でもめまい症状が起こります。脳梗塞(こうそく)や脳出血などの脳卒中や、脳腫瘍(しゅよう)などが原因になる場合もあります。椎骨(ついこつ)脳底動脈循環不全症は、脳幹や小脳に血液を送る血管の流れが悪くなってめまい症状を起こすものです。この場合には回転性のめまいがもっとも多く、浮動性のめまいや目の前が暗くなるようなめまいがそれに続きます。血管の流れが悪くなって起こる病気ですから、高齢者や動脈硬化が進んだ方のめまいの場合にあてはまることがあります。椎骨動脈は頚椎(けいつい)という首の骨の中を通っていて、頚椎の老化による骨棘(こつきょく)などによる圧迫でめまいが起こったりもします。
この場合には首を回したりすることによって症状がでます。このようなめまいは脳梗塞などの前触れとなることもあり、MRIやMRA(MRIをつかって血管をみる検査)などで詳しく調べて、脳梗塞などに準じた治療を行ったりもします。