2008年2月6日水曜日

「顎(がく)関節症」について

ゲスト/つちだ矯正歯科クリニック 土田 康人 歯科医師

顎関節症について教えてください。

口を開閉するたびに「カクカク」「シャリシャリ」と音がしたり、開閉時に下顎(あご)が左右にズレてガクガクする、口がスムーズに開かない、などといった症状を顎関節症といいます。痛みがある場合とない場合があります。20〜30代の女性に多く、小・中学生ではほとんどみられません。 顎関節症の原因は、実のところはっきりと分かっていません。いくつかの要因が重なって発症するものと考えられます。食いしばりや歯ぎしり、偏った咀嚼(そしゃく)などが原因として挙げられます。ストレスによって発症することもあり、受験期に発症し、受験が終わるとうそのように治ってしまうこともあります。 原因として、一番多いのは、やはり咬(か)み合わせです。治療した歯が、1本高い低いという程度でも咬み合わせに異常が生じ顎関節症を誘発することがあります。反対咬(こう)合、上顎前突、開咬、顎偏位症(下顎が左右とちらかに曲がっている)など、顎関節に負担がかかる人は、注意が必要です。

治療、予防について教えてください。

顎関節症の程度によりますが、治療としては、スプリントと呼ばれるマウスピース状のものを使うのが一般的です。歯の一部または全体を覆うもの、上顎用、下顎用などがあります。スプリントによって、顎関節や筋肉への負担を軽くして、歯ぎしりや食いしばりを緩和します。痛みのない咬み合わせを見つけ、その位置で安定させ、きれいな咬み合わせを作ります。 このような処置で改善できないほど重症の顎の異常の場合は、外科矯正が必要になることもあります。いずれにしても症状が軽い方が治療も早くできますので、顎関節に異常を感じたら、矯正歯科や口腔(こうくう)外科など専門医を受診してください。 日常生活の中では、片側でかむ癖や、ほおづえも顎関節症を誘発します。うつ伏せ寝、左右寝る向きの偏りも、顎関節に悪影響を与えます。また、子どもに顎関節症はみられませんが、咬み合わせや歯並びの異常は、将来原因となり得ます。早めの矯正治療で正しい咬み合わせ、歯列にすることによって、潜在的な要因を取り除くことができます。