2007年3月14日水曜日

「合併症予防のための糖尿病数値管理」について

ゲスト/青木内科クリニック 青木 伸 医師

糖尿病について教えてください。

 細胞内に糖を取り込み、血糖値を下げる働きのあるホルモン・インスリンが作用不足で、継続的に血糖値の高い状態になる病気が糖尿病です。初期には自覚症状がなく、のどが渇く、倦怠(けんたい)感などの症状が現れた時にはかなり進行しています。検診で糖尿病の診断を受けても、まだ初期で無症状の場合がほとんどです。
 しかし、血糖値が高い状態を放置すると、やがて血管や神経などに合併症が起こります。腎臓や目、神経に現れた合併症はいずれも完治が難しく、人工透析が必要になったり、失明、足の切断など、重症化することもまれではありません。また、動脈硬化が進み、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中の原因になることもあります。糖尿病と診断されたら、合併症予防のためにも、進行させないことが大切です。

合併症を予防するための注意点を教えてください。

 糖尿病の治療は、血糖をコントロールすることが基本です。具体的には、食事療法、運動療法、薬物療法を行います。初期のうちに、主治医の下で適切な治療を受け、生活習慣を見直せば、合併症は予防できます。治療と自己管理が適切かは、数値で判断できます。HbA1c(過去1~2カ月の平均的血糖値)は重要で、糖尿病の場合は6.5%以下に維持します(正常値は5.8%以下)。実際には難しいと思うかもしれませんが、医師の下できちんと管理を行っていれば、保てる数値です。数値を維持できれば、長期に支障なく生活できます。
 また、糖尿病患者の約半数は高脂血症や高血圧症を合併しています。高脂血症予防には、糖尿病の場合総コレステロール値200mg/dl以下を目標に(健康な場合は220mg/dl)、狭心症のある人は180mg/dl以下に保ち、心筋梗塞や脳梗塞を防ぎます。中性脂肪値は糖尿病の場合、150mg/dl以下の維持を目指します。血圧については、糖尿病のある人は、130/80mmHg以下に維持します。糖尿病の合併症を予防するには、これら血糖値以外の検査値にも注意を払う必要があります。