2005年10月5日水曜日

「動脈硬化と肥満」について

ゲスト/青木内科クリニック 青木伸 医師 

動脈硬化症になりやすい体質というのはありますか。

 現在日本人の死因で一番多いのは脳梗塞(こうそく)、心筋梗塞などの動脈硬化症です。この病気になりやすい人の特徴が、最近明確になってきました。
 第一に肥満していることが挙げられます。日本人は欧米人と違って極端な肥満の人は少ないですが、いわゆる小太り程度の人が多いようです。肥満には2種類あって、一つは女性に多く見られる皮下脂肪が増える下半身肥満(別名:洋なし型肥満)です。この肥満は病気とはあまり関係ありません。もう一つが男性に多くみられる、内臓に脂肪が増えるビア樽型肥満(別名:リンゴ型肥満)です。ビア樽型肥満は病気の発症と深い関係があります。このタイプの肥満かどうかは、おへその高さでウエスト周囲を測れば分かります。男性は85cm以上、女性は90cm以上あれば、ビア樽型肥満です。
 ビア樽型肥満の人が、同時に糖尿病、高血圧、高脂血症を伴っていると、健康な人に比べて30倍も動脈硬化になりやすいのです。この病状は代謝症候群(メタボリック症候群)として、医学界でも注目されています。

動脈硬化症の予防方法を教えてください。

 第一に心掛けるべきなのが、肥満の解消です。特にビア樽型肥満の方はやせることが重要です。幸いなことに、ビア樽型肥満の方が、食事と運動によってやせようと努力すると、効果が出やすいのです。食事は野菜、魚を中心に、薄味にするようにします。ひと駅分歩くなど、日常的に体を動かすように努めましょう。毎日体重を量り、脱衣所に体重の動きをグラフで表記して張り、やせる指標としておくのも、目標ができて効果的な方法だと思います。合併している糖尿病、高血圧、高脂血症も、やせることによって改善する病気なので、努力のしがいもあると思います。これらの病気には薬物治療が必要なこともありますので、まずは専門医に相談するのがよいでしょう。治療がうまくいっているかどうかは、基準値がありますので、参考にするとよいでしょう。
 糖尿病はHbA1cが6.5%以下、血圧は130/80mmHg以下、総コレステロールは200mg/dl以下、中性脂肪は150mg/dl以下です。