2005年8月3日水曜日

「動脈硬化を予防するために」について

ゲスト/大通り内科クリニック 小森 克俊 医師

動脈硬化について教えてください。

 動脈硬化は、日本人の3大死因のうち、がんを除く、脳血管障害と心疾患をもたらす病因の一つとなっています。そして、動脈硬化を起こしやすくする要因となるのは、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病です。それぞれの生活習慣病の程度は軽くても、これらのリスクをたくさん持っていると動脈硬化の危険性が高まります。近年、このような状態をメタボリック・シンドロームと呼ぶようになりました。2005年春には、日本内科学会など8つの学会が合同で日本のメタボリック・シンドロームの定義と診断基準を発表しました。欧米の診断基準との最大の違いは内臓脂肪の蓄積が必須条件となっていることです。ウエスト回り(一番細いところではなく、おヘソの部分)が、男性で85cm以上、女性で90cm以上。加えて、高中性脂肪血症、高血圧、糖尿病(予備軍を含む)のどれか2つ以上が当てはまれば、メタボリック・シンドロームと診断されます。

メタボリック・シンドロームと診断されたら、どのような点に注意すればいいですか。

 高脂血症、高血圧、糖尿病の中で、特に糖尿病は、ここ数年、日本で患者数が急増しています。糖尿病の主な原因は、食生活の欧米化による動物性脂肪の取り過ぎや運動不足です。健康維持には、糖質が60%程度、脂肪とタンパク質がそれぞれ20~25%程度の食事が理想的ですが、これは米や野菜、魚を中心とした一般的な和食の数値です。昔からこのような食事を続けてきた日本人は、欧米人に比べてすい臓から分泌されるインスリンの量が少なく、元来糖尿病になりやすい体質を受け継いでいるといえます。肥満、高血圧、甘いもの、アルコール、高脂肪の食事を好む人は予備軍の可能性があります。ただし、同じ生活をしても体質的に病気になる人とならない人がいるので、近親者に糖尿病患者がいる場合は要注意です。健康で長生きするためには、まず自分が予備軍かどうかを知ることが大切です。40歳を過ぎたら、年に1度は専門医の検査を受け、メタボリック・シンドロームと診断されたら、まずは食生活の改善と運動を心掛けましょう。