2005年7月20日水曜日

「矯正治療の開始適正時期」について

ゲスト/宇治矯正歯科クリニック 宇治 正光 歯科医師 

矯正治療は開始の時期が重要だと聞きますが。

 まず、知っていただきたいのは、矯正治療の技術は日進月歩で進歩しており、歯や歯周組織が健康であれば、年齢にかかわりなく、ほとんどの症例に対して治療可能であるということです。成人であっても、矯正治療によって美しい歯並びにすることができます。また、上顎(あご)、下顎のずれ、骨格的偏位が前後左右に大きい場合には、外科手術を伴う矯正や、インプラント矯正を併用して、きれいな咬(か)み合わせにすることができます。すでに成人しており、矯正治療は無理だと考えている人も、一度専門医を訪ねて相談してみるといいでしょう。歯並びや咬み合わせが正しいと、顎関節症などの疾患になりづらいだけではなく、自分に自信を持つことができます。

では、適正時期とは何でしょうか。

 例えば、上顎前突の場合、一般的に上顎が出ているように思われがちですが、下顎が小さいことが原因であることが多いのです。その状態のまま放置して成人になり、顎の成長が望めなくなった場合、抜歯や外科矯正になる可能性が高くなります。しかし、最適正時期である9~11歳であれば、バイオネーターなどの機能的顎矯正装置と呼ばれるものを寝るときだけ使用するだけで、下顎骨の前方成長を促し、バランスの取れた横顔にすることができます。横にも拡大することができるので、抜歯する確率も下げることになります。
 すなわち、適正な時期に矯正治療を開始することで、骨格のコントロールを行い、上下顎をバランスの良い状態にし、抜歯率や外科矯正率を下げることができるのです。決して歯を抜く治療がいけない訳ではなく、適正な時期に始めることによって選択肢が広がると考えてください。
 また下顎前突の場合は、下顎がより前方に成長するのを抑制したり、小さめの上顎が前方に成長するのを促進したりします。この場合の最適正時期は6~9歳です。お子さんの歯並びが気になる場合は、前歯だけでは判断が難しいので、小学校入学前後に、一度左右のずれも含めて専門医に相談することをお勧めします。