2004年11月4日木曜日

「顎(がく)関節症」について

ゲスト/北大前矯正歯科クリニック 工藤 章修 歯科医師

顎関節症について教えてください。

 顎関節症とは、総括的な病名であって、タイプ、重症度によって、症状や治療法はさまざまです。共通する3つの兆候としては、咀嚼(そしゃく)時の顎関節や周辺の筋肉の痛み、顎(あご)を動かしたときの雑音、痛みや機能の障害によって口を大きく開けることができない、開閉が困難になる、という症状が挙げられます。この中の1つ以上が当てはまれば、顎関節症である可能性が強いのです。ただし、症状に当てはまっても、関節リウマチなど原因がはっきりしているものは、顎関節症と診断されません。日本人のおよそ10%が顎関節症であるといわれており、年代は若者からお年寄りまでさまざまです。

原因と治療方法について教えてください。

 発症のきっかけはさまざまですが、10代~30代など若い患者さんの場合、子ども時代の習慣が原因であることがあります。人工哺(ほ)乳や柔らかい食べ物を好むことによって顎の正常な生育が阻まれ、強い関節を育てることができなかったり、頬杖(ほおづえ)や指しゃぶり、うつぶせ寝、不良姿勢によって、顎関節に異常が生じることもあります。中高年に多いのは精神的なストレスによるものです。気が付かないうちに歯を食いしばってしまい、顎関節に負担がかかります。さらに不安感や多忙による疲労、不規則な食事時間や睡眠時間、短時間の食事なども大きく関係しています。また、あくびやカラオケの歌い過ぎ、硬いものを食べたことによって、突発的な顎関節症になる場合もあります。咬(か)み合わせの異常から発症する場合もありますが、咬合(こうごう)異常の人が必ずしもなるわけではありません。一般的な治療法としては、軽い症状であれば、薄いプラスチックのプレートを歯にかぶせます。投薬や湿布などの治療も有効です。重症の場合は外科的処置が必要になる場合もあります。顎関節の診断・治療は専門医の受診が必要です。かかりつけの歯科医、矯正医に相談し、顎関節外来や顎関節治療に詳しい口腔(こうくう)外科医を紹介してもらいましょう。