2004年10月20日水曜日

「若年に急増する子宮頚(けい)がん」について

ゲスト/はしもとクリニック 橋本 昌樹 医師

子宮頚がんが若い人に増えていると聞いたのですが。

 子宮がんは、子宮入り口の頚部(けいぶ)のがんと、子宮奥の体部の子宮体がんに大別されます。さらに、子宮頚がんは扁平(へんぺい)上皮がんと腺がんに分類されます。およそ9割の子宮頚がんが扁平上皮がんですが、その原因の多くにパピローマウイルスが関与しているといわれています。
 パピローマウイルスは100種類以上の亜種に分類されますが、そのうちの数種が特に発がんに関与しているとされています。このウイルスは性行為によって感染しますので、子宮頚がんの多くは性感染症が関係しているといえるでしょう。最近は性感染症患者の低年齢化・蔓延が指摘されていますが、同じ経路で感染するパピローマウイルスも感染が低年齢化し、感染機会が増加していると推測されます。
 実際、子宮頚がん罹患(りかん)者の総数が減少している中で、若年罹患者は増加しているという報告もあります。

パピローマウイルスに感染した場合や、子宮頚がんの症状を教えてください。

 ウイルスに感染したのみでは自覚症状はありません。子宮頚がんになった場合でも、ごく初期の上皮内がんの状態では自覚症状はありません。がんが上皮を超えて浸潤を始めると、不正出血が現れます。しかし、不正出血が起こるようになってからでは病状が進行している場合が多く、進行がんの治療には後遺症の残る大きな手術や放射線治療などが必要になります。比較的小さな処置・手術で完治が期待できる早期がんのうちに発見するためには、無症状であっても検査することが大切です。検査は子宮頚部細胞診で、一般的には子宮(頚)がん検診と呼ばれており、がんの前駆病変から見つけることが可能です。子宮頚がん検診費用の公的補助は30歳以上となっていますが、これは、以前は30歳未満の人が子宮頚がんになる可能性が低かったためです。性交渉の経験のある方は、年齢にかかわらずパピローマウイルスに感染している可能性があります。大事に至る前の予防策として、補助は受けられなくても1~2年に1回は専門医を訪れ、子宮がん検診を受けることをお勧めします。