2004年6月2日水曜日

「有酸素運動で生活習慣病予防」について

ゲスト/土田病院 土田茂 医師

生活習慣病と運動について教えてください。

 移動は車、エスカレーターやエレベーターを使い、仕事はデスクに向かったまま…。今日はいったいどの程度体を動かしただろうかと、思わず考えてしまうことがあります。便利なものに依存する現代人のライフスタイルは、運動不足から肥満を招き、結果として高血圧や糖尿病など生活習慣病を引き起こしてしまいます。健康を維持するためには、「運動する」という心掛けが大切です。とはいえ、忙しい毎日の生活の中で、まとまったスポーツの時間を取るのは困難なことでしょう。最も手軽にできる運動は「歩く」ことです。通勤・通学や短距離の移動に、乗り物を使わず歩いてみる、いつも使うエレベーターを階段にしてみるなど、日常生活の中で少しずつ無理なく取り入れることができます。

どの程度を目安に運動すればいいのですか。

 できれば万歩計を着けて1日1万歩を目標にするといいでしょう。これで約300Kcalを消費し、1日の運動量としては十分です。加えて、これからの季節は気候も良いので、休日などに積極的に運動を行うことをお勧めします。体脂肪を燃やすには、有酸素運動が効果的です。運動中に、息が弾みつつも人と会話できる程度の運動を有酸素運動といい、1分間の心拍数は100から130くらいになります。この運動を1日30分以上行うと、非常に効果的です。かつては、30分以上継続して運動しないと脂肪は燃焼しないといわれていましたが、最近では10分程度の短い運動でも、1日の運動量のトータルが30分以上であれば、脂肪燃焼効果は同じであることがわかっています。家事や仕事の合間にも、小まめに運動するといいでしょう。ウオーキングのほか、膝(ひざ)などに痛みのある人は、関節に負担の掛からない、水泳や水中ウオーキングなどがお勧めです。
 若い女性を中心に、食事を減らすだけのダイエットを行っている人が多いのですが、将来骨粗しょう症など重大な疾患を招きかねません。健康で実りある生涯を送るためには、日ごろの運動で基礎代謝率をアップし、食事をバランス良く取ることが大切です。

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